第2部 小規模事業者の労働生産性の向上に向けた取組

第5節 まとめ

本章第1節及び第2節では、小規模事業者の企業間連携の現状と、企業間連携による生産性の向上について見てきた。特に異業種で連携することで効果が高まる割合が高い。事例で示したように、様々な狙いを持って連携に取り組んでいる。

企業間連携の課題としては、「取組の効果が分からない」、「連携先の探し方が分からない」とする割合が高い。様々な企業間連携による効果を伝え、効果的な連携先をつなげる支援があれば、小規模事業者の企業間連携が促進されるだろう。

第3節では、事業承継の意向と後継者について概観した上で、事業承継した経営者の傾向について見てきた。事業承継した事業者は、成長志向が強い傾向があり、直近の収益力も増加傾向の割合が高いことが分かった。事例で見たように、事業承継は事業の多角化や業務効率化の契機ともなり、労働生産性の向上につながると推察される。

第4節では、経営資源の引継ぎについて見てきた。経営資源は、親族内だけでなく、第三者にも引き継ぐことができ、譲り受けた事業者の事業拡大に寄与する。事業者の円滑な事業承継・経営資源の引継ぎを支援する体制の充実が求められる。

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