第2部 小規模事業者の労働生産性の向上に向けた取組

3 小規模事業者の人手不足感

前項では中小企業・小規模事業者の人手不足感の高まりについて推移を確認した。本項以降は再度、「小規模事業者等の事業活動に関する調査」の結果を用いて分析する。まずは、小規模事業者の人手不足感について見ていく。

〔1〕人手不足感の状況

第2-1-10図は小規模事業者の人手不足感を見たものである。小規模事業者においておよそ3分の2の事業者が人手不足を感じている。

第2-1-10図 人手不足感
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〔2〕常用従業員数別の人手不足感

小規模事業者において人手不足感は従業員規模の大きな事業者ほど感じている(第2-1-11図)。従業員規模の大きい事業者ほど人手不足を感じていることは「中小企業景況調査」の直近の傾向と一致しており、小規模事業者に限っても同様の傾向があるといえる。

第2-1-11図 常用従業員数別の人手不足感
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〔3〕成長志向別の人手不足感

第2-1-12図は成長志向別の人手不足感を見たものである。今後の事業展開の方針として「成長・拡大させたい」としている事業者は、「安定・維持させたい」、「縮小・廃業させたい」としている事業者に比べて人手不足を感じている。事業を成長・拡大させようとする中で、人手不足に直面していると推察される。

第2-1-12図 成長志向別の人手不足感
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〔4〕人手不足への対応

第2-1-13図は人手不足感を感じている事業者を対象に、人手不足への対応について聞いたものである。人手不足への対応として「経営者の労働時間を増やし対応」が53.9%と最も多くなっている。第2-1-4図のとおり、小規模事業者は新規の従業員採用が難しい。人手不足への対応として、従業員の新規採用や人材育成を進めるのではなく、経営者自身の働き方でカバーしている小規模事業者が過半数であることが分かる。

第2-1-13図 人手不足への対応
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