3 小規模事業者から中規模企業に拡大した企業の分析
本項では、2009年から2014年の間に事業規模を拡大した小規模事業者に着目し分析する。
〔1〕存続企業の規模間の移動状況
2009年から2014年にかけて存続していた企業の規模の変化について確認すると、存続企業304万者のうち7.1万者が、小規模事業者から中規模企業に規模を拡大させている(第1-2-7図)。

〔2〕小規模事業者から中規模企業に拡大した企業7.1万者の内訳(業種別)
続いて第1-2-8図は、小規模事業者から中規模企業に拡大した企業7.1万者の内訳を見たものである。
左目盛は、小規模事業者から中規模企業に拡大した企業数を業種別に見たものである。最も多い業種が「小売業」の1.4万者、次いで「宿泊業、飲食サービス業」の1.2万者、「医療、福祉」の0.9万者となっている。
右目盛は、小規模事業者から中規模企業に拡大した企業が小規模事業者全体に占める割合を見たものである。最も割合が大きな業種は「電気・ガス・熱供給・水道業」の8.9%となっているが、拡大企業の実数は47者と少数である。次に割合が大きな業種は「医療・福祉」の6.6%である。拡大企業数も0.9万者と多く、2009年から2014年のうちに事業拡大の傾向が強い業種は、「医療・福祉」であったことが分かる。

〔3〕小規模事業者から中規模企業に拡大した企業7.1万者の内訳(個人法人別、常用雇用者有無別)
第1-2-9図は、小規模事業者から中規模企業に拡大した企業約7.1万者の内訳を類型別に見たものである。過半数が法人(常雇あり)の事業者となっている。他方で、個人事業者(常雇なし)と法人(常雇なし)合わせて約0.7万者が小規模事業者から中規模企業に成長しており、常用雇用者0人であっても規模を拡大していく事業者が一定数いることが分かる。
