第3節 まとめ
2017年度の我が国経済は、2012年末からの緩やかな景気回復傾向が続いており、中小企業の業況は総じて改善傾向にあること、売上高が増加基調にあること、これが功を奏し経常利益が過去最高水準で推移し、倒産件数が9年連続で減少し続けているなど、経済の好循環が回り始めている。
他方で、中小企業の景況感が業種や地域によってばらつきが見られること、良好な収益環境に比して経済の先行きの不透明さから設備投資に力強さが欠けていること、中小企業が円滑に価格転嫁できるような収益力を十分に獲得できていないこと等、経済の好循環を幅広く浸透させていくに当たっての課題も見られる。今後、中小企業が更に発展していくためにはこれらの課題に向き合い、克服する努力が必須となろう。