第1部 平成28年度(2016年度)の中小企業の動向 

2 中小企業の業種別・地域別業況

次に、中小企業景況調査における中小企業の2016年の業況の変化について、業種別、地域別に確認する。

2016年の第1四半期は前期比2.8ポイントの低下となったが、業種別に確認すると、低下には主に製造業、サービス業が寄与しており、この背景としては、暖冬による冬物商品の販売不振等の声が聞かれた(第1-1-9図)。第2四半期は前期比1.4ポイントの低下となり、低下にはサービス業、卸売業が寄与した。この背景としては、2016年4月14日に発生した熊本地震の影響を挙げる声が多かった。第3四半期は前期比1.3ポイントの上昇となり、上昇には主に建設業と製造業が寄与した。この背景として、熊本地震後の復旧工事の進捗や生産の回復に関する声が多かった。また、サービス業のうち、宿泊業では熊本地震後の回復やインバウンド需要の回復の影響を示す声が聞かれた。第4四半期は前期比0.5ポイントの低下となり、低下には、建設業、サービス業のうち宿泊業などが寄与した。この背景として、2016年10月21日に発生した鳥取県中部地震の影響等に関する声が聞かれた。

第1-1-9図 業況判断DI業種別分解(中小企業景況調査)
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また、2016年を通じて、新興国経済の減速、人口減少による国内需要の減少等についての声や、人手不足を懸念する声が聞かれた。

2017年の第1四半期は前期比1.7ポイントの上昇となり、上昇には自動車・生産機械関連等の生産の持ち直しによる製造業の業況改善等が寄与した。

次に、地域別に確認すると、2016年の第2四半期は熊本地震の影響もあり、九州地方が最も押し下げに寄与した(第1-1-10図)。続く第3四半期は、前期の反動もあり、九州地域が最も押し上げに寄与した。第4四半期については、鳥取県中部地震の影響もあり、中国地方が最も押し下げに寄与した。

第1-1-10図 業況判断DI地域別分解(中小企業景況調査)
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コラム1-1-1

平成28年熊本地震に係る被災中小企業対策

2016年4月に発生した、平成28年熊本地震では、熊本県を中心に甚大な被害が発生し多くの中小企業が被災した。

経済産業省では、被災地域における中小企業の窮状を直接把握し、その対応策を政府一丸となって進めるため、経済産業大臣を本部長とする「総合中小企業対策本部」を設置するとともに、職員を現地に常駐させ被災中小企業の現状把握を行った。

また、発災後速やかに、熊本地震により被災した中小企業・小規模事業者対策として、政府系金融機関による災害復旧貸付の適用、信用保証協会によるセーフティネット保証4号の適用、既往債務の返済条件緩和等への対応についての政府系金融機関への配慮要請、小規模企業共済災害時貸付の適用等資金繰り支援措置を講じ、事業者からの相談受付のための特別相談窓口を設置した。加えて、追加的な資金繰り円滑化措置として、激甚災害法の適用を受けた中小企業信用保険法の特例としての災害関係保証、災害復旧貸付の金利の引下げ等を講じた。

さらに、平成28年度熊本地震復旧等予備費等において、被害が広範囲かつ甚大であること、サプライチェーンが毀損する等により我が国経済が停滞する事態が生じていることを踏まえ、中小企業等の施設・設備の復旧支援のための中小企業等グループ補助金を措置した。また、政府系金融機関による平成28年熊本地震特別貸付制度の創設等の資金繰り支援、九州地方の小規模事業者の販路開拓等を行うための小規模事業者持続化補助金等の震災からの早期の復興に万全を期すため必要な予算を措置した。

このほか、関係団体に対する下請中小企業への配慮要請や公募中の各種補助金における公募期間の延長、被災中小企業の経営を支援するための専門家派遣、被災中小企業者向けの支援策をまとめたガイドブックの発行・配布、中小企業庁ホームページ及び中小企業支援ポータルサイト「ミラサポ」に支援情報に関する特設ページの開設等を行った。

コラム1-1-1 平成28年熊本地震に係る被災中小企業対策
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