第2部 小規模事業者の未来

第1章 業績傾向の良い小規模事業者の特徴等

第1部では、小規模事業者の動向や事業活動の実態、支援機関側から見た小規模事業者について見てきた。第2部では、第1部で見てきた小規模事業者の事業活動の実態等を踏まえ、経営者の年代別や何代目別(経営者が何代目であるか)に見た小規模事業者の特徴や女性の就業環境面について示すとともに、小規模事業者の多様な側面の一つとしてフリーランスの実態や事業活動について見ていくこととする。

本章では、小規模事業者の様々な事業活動において、厳しい事業環境の中でも活躍している小規模事業者の特徴や女性の就業環境面などについて見ていく。

第1節 経営者の年代別や何代目別に見た小規模事業者の特徴

本節では、「小規模事業者の事業活動の実態把握調査」1から得られたアンケート調査結果を基に、経営者の年代別や何代目別から見た小規模事業者の特徴などについて分析する。

1 中小企業庁の委託により、(株)日本アプライドリサーチ研究所が、2016年1月に、全国商工会連合会、日本商工会議所の会員のうち、小規模事業者を対象に実施したWebアンケート調査。有効回答件数4,857者。

1 個人事業者と法人別の業績傾向と創業時期別の業績傾向

まず、小規模事業者の直近3年間の売上高の傾向について、個人事業者、法人別に示したものが第2-1-1図である。

これを見ると、売上高の増減傾向について、個人事業者と法人において大きな差異はないが、法人の方が増加傾向とする割合がやや高いことが分かる。

第2-1-1図 直近3年間の売上高の傾向(個人事業者、法人別)
Excel形式のファイルは こちら

次に、第2-1-2図は、直近3年間の売上高の傾向について、小規模事業者の創業時期別に示したものである。

これを見ると、売上高が増加傾向にある者は、全体の平均では27.5%であるのに対し、2010年以降の近年に創業した者は64.0%、2000年から2009年の比較的最近に創業した者は38.1%となっており、創業時期が新しくなるほど売上高が増加傾向である割合が高くなる傾向が明らかとなっている。

第2-1-2図 直近3年間の売上高の傾向(創業時期別)
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