4 廃業について
第1-2-94図は、第1-2-90図で見た事業承継についての方針で、「廃業を予定している」又は「廃業をしたいが、現時点で廃業できない」とした者に対し、廃業を考えている理由について聞いたものである。
これを見ると、「高齢化のため(体力・判断力の低下など)」が47.0%で最も多く、次いで「業績が厳しいため」が24.6%、「従業者等に適任者がおらず、あきらめているため」が10.3%、「現在の業績は問題ないが、今後業績悪化の懸念があるため」が7.3%となっている。このように、経営者の高齢化と厳しい業績が、小規模事業者の廃業における上位の理由となっている。
また、「廃業したいが、現時点で廃業できない」とした者について、その理由を示したものが第1-2-95図である。
これを見ると、「廃業後の生活に困るため」が64.4%で最も多く、次いで「自身の生きがいになっているため」が45.2%、「借入金があるため」が43.8%、「固定(顧)客等からの事業継続要望が強いため」が33.0%となっており、また、第1位の回答だけみれば「借入金があるため」が最も多くなっている。
このように、廃業したくても廃業できないケースでは、借入金の存在や廃業後の自身の生活への不安が廃業を躊躇させる主たる要因となっていることが分かる。
その一方、「自身の生き甲斐になっているため」や「固定(顧)客からの事業継続要望が強いため」、「従業者の生活を守るため」など、積極的な要因から廃業を躊躇するような場合も相当程度あることがうかがえる。