第6節 事業承継の現状と課題
本節では、小規模事業者における事業承継の現状と課題について見ていくこととする。
1 事業承継の現状
第1-2-71図は、今回調査対象とした小規模事業者の経営者が、何代目の経営者であるかを示したものである。これを見ると、54.2%の経営者が2代目以降の経営者となっている。
この2代目以降の経営者が先代経営者から事業承継した時点における現経営者の年齢について示したものが、第1-2-72図である。
これを見ると、「20代以下」で事業承継した者が9.7%、「30代」が36.2%、「40代」が34.6%であり、30代以下で事業承継した者が45.9%を占める。
また、現経営者が事業承継前に当該業務に従事していた期間を示したものが第1-2-73図である。
これを見ると、「11年以上20年以内」と「20年以上」がそれぞれ約3割となっており、2代目以降の現経営者は比較的長期間に亘って当該業務に従事していたことが分かる。
さらに、現経営者の先代経営者から見た立場(続柄)を示したものが第1-2-74図である。
これを見ると「子供」が圧倒的に多く全体の83.4%を占め、次いで「親族(配偶者、子供以外)」が10.1%となっている。「配偶者」や「親族外従業者」、「社外の第三者」は、僅かなものとなっている。
第1-2-75図は、中小企業者の事業承継時期別の現経営者と先代経営者の関係について示したものである。
これを見ると、中小企業者における親族外承継の割合は、「20年以上前」には7.6%だったものが、「10~19年前」では19.3%、「0~9年前」では39.1%となっており、徐々にその割合が増えてきていることが分かる。
一方、第1-2-74図で示したように、小規模事業者においては、依然として親族内承継が大部分を占めている。
次に、現経営者が先代経営者から事業承継する直前3年間程度の業績傾向を示したものが、第1-2-76図である。これを見ると、業績が下降基調の中で事業承継した者が約3割となっており、事業環境が厳しい中で事業承継した者が相当数存在することが分かる。