2 短期的な経営課題に対する取組状況について
次に、短期的側面からの取組を見てみることとする。
第1-2-45図は小規模事業者が日々の経営努力の中で実際に行っている取組について示したものである。
これを見ると、「集客・販売力向上」が49.2%と最も多く、次いで「業界団体のセミナー参加などによる情報収集」(48.1%)、「従業員の技術・技能の向上」(29.9%)、「人件費抑制や経費節約」(29.1%)、「仕入値の抑制努力」(28.4%)となっている。
「特に取り組んでいない」との回答は7.3%にとどまっており、小規模事業者が短期的な経営課題に対して何らかの取組を行っていることが分かる。他方で、約半数の者が取り組んでいる集客・販売力の向上やセミナー等による情報収集を除けば、その取組割合は総じて低いものとなっている。
また、小規模事業者が業績を向上させる上で、いわゆるリピーター客を少しずつ増やし、固定客化を促進することも重要な要素として考えられる。第1-2-46図は小規模事業者がリピーター客を獲得するために実際に行っている取組の状況について示したものである。
これを見ると、「商品・サービスの信頼性(味を含む)の追求」が51.3%と最も多く、次いで「納期遵守や丁寧な接客に基づく信頼獲得」が44.1%など、商品・サービス自体や会社、経営者自体の信頼性の確保・獲得に力点を置いていることがうかがえる。
第1-2-47図は、小規模事業者の経営上の悩みや課題の解決に際し、利用したことのある支援機関等について示したものである。
これを見ると、「商工会や商工会議所」以外では、「経営者仲間」(36.7%)、「税理士や経営コンサルタントなど」(32.4%)、「金融機関」(25.7%)、「取引先の関係者」(19.0%)などとなっている。
その一方で、「これまで利用したことはない」との回答は3.3%のみであり、小規模事業者は経営上の悩みや課題に対して何らかの支援機関等を利用していることが分かる。