第4節 小規模事業者の事業活動における経営課題への取組
本節では、小規模事業者の事業活動における中長期的な側面と短期的な側面からの取組について見ていくこととする。
1 中長期的な経営課題に対する取組状況について
第1-2-42図は、小規模事業者における、「中長期的な事業展開で重要と考えているもの」と「実際に取り組んでいるもの」について聞いたものである。
これを見ると、「重要と考えているもの」としては、「既存事業の商圏(販路)拡大」が56.8%であるほか、「既存事業の高付加価値化や工夫」(51.6%)、「後継者や従業員の確保・育成」(47.0%)、「既存事業の新商品・新サービスの開発」(45.6%)などとなっている。販路開拓や既存事業の高付加価値化、新商品等の開発、後継者や人材確保などに関心が高いことが分かる。
一方、「実際に取り組んでいるもの」の回答割合は、「重要と考えているもの」の回答割合よりも総じて低くなっており、項目により19.2~2.4ポイントの差があることが分かる。中でも、「後継者や従業員の確保・育成」については19.2ポイントと最も大きな差となっており、小規模事業者が重要性は高いと認識しつつも、取組が進んでいないことがうかがえる。