4 企業規模別に見た事業者数増減と従業者数増減、売上高増減の構造的要因
前項の「第1-1-30図 事業者数の増減」で見てきたように、2012年から2014年にかけて中小企業者数は全体では約4.4万者減少した。この企業規模別事業者数の増減の構造的要因を個人事業者数と法人事業者数に分けて分析したものが第1-1-35図である。これを見ると、中規模事業者では、個人事業者数が約0.6万者の増(対2012年比+5.5%)、法人数も約4.1万者の増(対2012年比+10.2%)となっており、共に増加している。これに対し、小規模事業者では、個人事業者が約9.2万者減少(対2012年比▲4.4%)したが、法人は逆に約0.1万者増加(対2012年比+0.1%)した。
このことから、個人事業者数の減少が小規模事業者数の減少の要因となっていることが分かる。
次に、企業規模別従業者数の増減について個人事業者数と法人事業者数に分けて分
析したものが第1-1-36図である。
これを見ると、中規模事業者では、個人事業者の従業者数が約6万人の増加(対2012年比+4.5%)、法人の従業者数も約203.7万人の増加(対2012年比+10.8%)となっている。これに対し、小規模事業者では、個人事業者の従業者は約42.4万人の減少(対2012年比▲8.5%)し、法人の従業者は約23万人の減少(対2012年比▲3.3%)となっており、個人事業者の従業員の減少がより大きく影響していることが分かる。
次に、企業規模別の売上高の増減について個人事業者と法人事業者に分けて分析し
たものが第1-1-37図である。
これを見ると、中規模事業者では、個人事業者の売上高が約0.5兆円の増加(対2012年比+6.4%)、法人の売上高は約3.9兆円の増加(対2012年比+1.0%)となっている。これに対し、小規模事業者は、個人事業者の売上高が約0.5兆円の減少(対2012年比▲2.4%)、法人の売上高は約0.6兆円の増加(対2012年比+0.6%)となっており、個人事業者の売上高の減少分より法人の売上高の増加分が上回ったことが分かる。