第1部 小規模事業者の動向 

第2節 小規模事業者の景況

本節では、小規模事業者の景況感、仕入・売上単価、採算(経常利益)、雇用及び資金繰りの状況について、中規模事業者との対比を交えつつ、中小企業庁・独立行政法人中小企業基盤整備機構「中小企業景況調査」1(以下、「景況調査」という。)により概観する。

1 中小企業景況調査は、中小企業基本法に定義する全国の中小企業・小規模事業者1万9千社を対象に、商工会及び商工会議所の経営指導員及び中小企業団体中央会の調査員により行われる聴き取り調査。

1 景況感

始めに、中小企業全体の業況を、景況調査の業況判断DI2の推移により確認する(第1-1-2図)。中小企業の業況判断DIは、2015年II期(4-6月期)に、前期と比べてマイナス幅がやや拡大(I期▲17.8→II期▲18.7)したが、同年III期(7-9月期)以降、2期連続してマイナス幅が縮小(II期▲18.7→III期▲15.5→IV期▲15.1)した。2016年I期は、3期ぶりにマイナス幅が拡大(IV期▲15.1→I期▲18.1)した。中小企業の業況は、持ち直し基調の中にも、弱い動きが見られる。

2 業況判断DI:前期に比べて業況が「好転」と答えた企業の割合(%)から、「悪化」と答えた企業の割合(%)を引いたもの。

第1-1-2図 中小企業の業況判断DIの推移
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第1-1-2図で見た中小企業の業況判断DIの推移を、小規模事業者、中規模事業者別に見ることとする(第1-1-3図)。小規模事業者の業況判断DIは、2015年II期(4-6月期)に、前期と比べてマイナス幅がやや拡大(I期▲19.7→II期▲20.5)したが、同年III期(7-9月期)以降、2期連続してマイナス幅が縮小(II期▲20.5→III期▲17.7→IV期▲16.8)した。足下(2016年I期)は、3期ぶりにマイナス幅が拡大(IV期▲16.8→I期▲19.8)した。足下では弱い動きが見られる。

同期間における中規模事業者の業況判断DIは、同年IV期(10-12月期)にマイナス幅がやや拡大(III期▲8.0→IV期▲8.8)したことを除き、小規模事業者と同じ傾向で推移した。

足下の小規模事業者(▲I期19.8)の水準は、中規模事業者(▲I期12.2)と比べて、依然として低くなっている。

第1-1-3図 中規模事業者・小規模事業者の業況判断DIの推移
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続いて、第1-1-3図で見た小規模事業者の業況判断DIの推移を、地域別及び業種別に見ることとする(第1-1-4図)。

小規模事業者の地域別の業況判断DIについて、2015年II期(4-6月期)から2016年I期(1-3月期)までの間で見ると、足下において、一部を除き全国的に弱い動きが見られる。

また、業種別の業況判断DIを2015年II期(4-6月期)から2016年I期(1-3月期)までの間で見ると、足下において、全ての業種で弱い動きが見られる。他方、足下の業況判断DIのマイナス幅で比較すると、小売業(I期▲30.8)が最も大きく、建設業(I期▲11.4)で最も小さい。

第1-1-4図 小規模事業者の業況判断DIの推移(地域別・業種別)
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