第1部 平成27年度(2015年度)の中小企業の動向

7 まとめ

以上で見てきたように、中小企業の状況は、足下では業況判断DIの動きに弱さも見られるものの、経常利益は過去最高水準に達し、倒産件数は25年ぶりの低水準にあるなど、改善傾向にある。しかしながら、経常利益の増加は、人件費や原油・原材料費等の低下によるところが大きく、売上の拡大を伴っていない。そのため、設備投資額はリーマン・ショック前の水準に達しておらず、設備の老朽化が進み、また、人手不足は深刻化してきている。

中小企業が過去最高の経常利益を上げている今、生産年齢人口の減少を背景とした人手不足、設備の老朽化といった課題に向き合い、「稼ぐ力」を強化することが重要である。

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