第1部 平成26年度(2014年度)の中小企業・小規模事業者の動向

5 地域別に見た中小企業・小規模事業者の業況

以上まで、地域経済全体の状況について見てきたが、地域に根ざす中小企業・小規模事業者の状況には、地域別の特徴があるだろうか。中小企業庁と(独)中小企業基盤整備機構で実施している「中小企業景況調査」の調査結果により、小規模事業者を含む中小企業の業況を地域別に見ていくこととする(第1-3-35図)。地域別に中小企業・小規模事業者の業況判断DIを見てみると、2008年のリーマン・ショック前までは地域3の中小企業・小規模事業者の業況判断DIの振幅が地域1、地域2と比べて大きく、業況の改善局面では大きく改善し、悪化局面では大きく悪化する傾向にあったが、リーマン・ショック以降の業況改善局面においては、どの地域を見てもDIの水準及び方向に顕著な差は見られない。

第1-3-35図 地域別に見た中小企業・小規模事業者の業況
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業種別に見ると、製造業では全業種と同様の傾向がより顕著に確認される一方、サービス業では、どの地域、どの時期においてもDIの水準及び方向に顕著な差は見られないことが分かった。

以上より、地域経済という単位で捉えれば、地域ごとの経済成長の度合いや経済・社会構造を踏まえた地域の特徴に違いがあることが確認されたが、そこに根ざす中小企業・小規模事業者の業況について言えば、地域ごとに顕著な差は確認されなかった。

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