3 企業規模別に見た売上高
第二に、企業規模別に見た売上高について確認する(第1-3-4図)。ここでは、「どれだけ売ったか」をより明確に確認するため、物価変動の影響を差し引いた実質値としての売上高について確認する。1社当たり平均の売上高を、1980年を100とした指数で見てみると、全産業では1980年代は中規模企業・小規模企業の売上高の伸びが大企業の伸びを上回っていたが、1990年代に中規模企業・小規模企業の売上高が減少した一方で、大企業の売上高が底堅く推移した結果、1990年代後半から2000年代前半にかけて大企業と中規模企業・小規模企業の売上高の差は拡大した。
業種別に見ると、製造業では、1980年代は大企業、中規模企業・小規模企業ともに緩やかな増加傾向であったが、1990年代に中規模企業・小規模企業の売上高が減少した一方で、大企業の売上高が底堅く推移した結果、1990年代に大企業と中規模企業・小規模企業の売上高の差は拡大した。2000年代後半以降は大企業、中規模企業・小規模企業ともに緩やかな増加傾向に転じたが、大企業と中規模企業・小規模企業の売上高の差は引き続き拡大している。
非製造業では、1980年代は中規模企業・小規模企業の売上高が伸びる一方で、大企業の売上高は減少していたが、1990年代に入り中規模企業・小規模企業の売上高が大きく減少した一方で、大企業の売上高が底堅く推移した結果、1990年代後半から2000年代前半にかけて大企業と中規模企業・小規模企業の売上高の差は拡大した。