2024年版「小規模企業白書」 第8章 その他の中小企業施策 | 中小企業庁

第8章 その他の中小企業施策

第1節 環境・エネルギー対策

1.中小企業等の温室効果ガス削減量等を認証する制度(J-クレジット制度)における手続等支援【令和5年度当初予算:4.4億円】

省エネ・再エネ設備の導入、森林整備等による温室効果ガスの排出削減・吸収量をクレジットとして認証するJ-クレジット制度について、新規方法論の策定、クレジット創出に向けた中小企業等への説明会の実施及び審査費用支援等を行った。

2.環境・エネルギー対策資金(公害防止対策関連)【財政投融資】

中小企業・小規模事業者における大気汚染防止・水質汚濁防止等の公害防止対策を促進するため、公害防止設備の導入等に対して株式会社日本政策金融公庫による融資を行う制度である。2023年度においては、下記のとおり着実に実施した。

[融資実績](2023年4月~2023年12月)

              件数 金額

アスベスト対策        2件 107百万円

水質汚濁防止         5件 365百万円

廃棄物関連         30件 3,099百万円

土壌汚染対策         1件 6.6百万円

3.公害防止税制【税制】

中小企業・小規模事業者等における公害防止への取組を支援するため、公害防止用設備(汚水又は廃液処理施設)に係る課税標準の特例措置を引き続き講じた。

4.カーボンニュートラルに向けた自動車部品サプライヤー事業転換支援事業【令和5年度当初予算:6.0億円】

自動車の電動化の進展で課題を抱える中堅・中小部品サプライヤーの業態転換等の実現に向け、電動車部品の実物を用いた実地研修や専門家派遣等の支援を講じるとともに、自動車産業集積地域に支援拠点を新設するなど支援体制を強化した。

5.先進的省エネルギー投資促進支援事業費【令和5年度当初予算:260億円】

工場・事業場におけるエネルギー消費効率の改善を促すため、省エネ性能の高い特定のユーティリティ設備や生産設備、先進的な省エネ設備等の導入等を行う事業者に対する支援を行った。

6.省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金【令和4年度補正予算:250億円】

工場・事業場における省エネ性能の高い設備・機器への更新や複数事業者の連携、非化石エネルギーへの転換にも資する先進的な省エネ設備・機器の導入等を行う事業者に対する支援を行った。

7.省エネルギー投資促進支援事業費補助金【令和4年度補正予算:250億円】

工場・事業場における省エネ性能の優れたユーティリティ設備や生産設備等への更新を行う事業者に対する支援を行った。

8.省エネルギー設備投資利子補給金助成事業費【令和5年度当初予算:13.3億円】

新設・既設事業所における省エネ設備の新設・増設等を行う際、民間金融機関等から融資を受ける事業者に対し、融資に係る利子補給を行った。

9.中小企業等エネルギー利用最適化推進事業費【令和5年度当初予算:8億円】

エネルギー利用最適化診断事業・情報提供事業を通じて、中小企業等の工場・ビル等のエネルギー管理状況の診断を実施し、AIやIoT等を活用した運用改善や再エネ導入等の提案や、診断事例の横展開、関連セミナーへの講師派遣を行った。

また、地域のエネルギー利用最適化取組支援事業を通じて、省エネや再エネ導入に関する相談拠点となるプラットフォームを地域ごとに構築するとともに、相談に係る窓口や支援施策などをポータルサイトに公開した。

10.環境・エネルギー対策資金(非化石エネルギー関連)【財政投融資】

中小企業による再生可能エネルギーの利用を促進するため、株式会社日本政策金融公庫が、再エネ発電設備・熱利用設備を導入する際に必要な資金を中小企業向けに低利で貸し付けることができる制度。2023年4月から2023年12月までに106件、36.7億円規模の融資を実施した。

11.環境・エネルギー対策資金(省エネ設備関連)【財政投融資】

中小企業における省エネルギー取組を促進するため、株式会社日本政策金融公庫による融資を実施した。

12.中小企業等に向けた省エネルギー診断拡充事業費補助金【令和4年度補正予算:20億円】

エネルギー価格高騰等の影響を受ける中小企業等の工場・ビル等のエネルギー管理状況の診断を実施する事業者に対して、運用改善や設備投資等の提案に係る経費及び専門人材育成に係る経費を支援した。

13.株式会社脱炭素化支援機構による資金供給【財政投融資】

地球温暖化対策の推進に関する法律に基づき脱炭素に資する多様な事業への民間投資の呼び水となる投融資(リスクマネー供給)等を行う官民ファンドである株式会社脱炭素化支援機構が2022年10月28日に設立され、2024年2月時点までに14件の支援決定の公表を行った。

14.脱炭素社会の構築に向けたESGリース促進事業【令和5年度当初予算:13.3億円】

多額の初期投資費用(頭金)の負担が困難な中小企業等が設備投資を行う際、頭金を必要としないリースという金融手法の活用が有効であるところ、本事業によってリース料総額の一部を補助することで脱炭素機器の導入を促進し、地域の脱炭素化を支援した。

15.エコアクション21【令和5年度当初予算 0.007億円】

中小事業者にも取り組みやすい環境マネジメントシステムとして環境省が策定した、環境マネジメントシステム「エコアクション21」が、ガイドラインに沿って適切に運営されているか及び改善点がないか等について検討委員会において検討を行った。

16.地域ぐるみの中小企業支援体制構築事業【令和5年度当初予算:14.0億円の内数】

普段から中小企業と接点を有する地域金融機関・商工会議所等の経済団体等と地方公共団体が連携し、地域内中小企業の脱炭素経営普及を目指す、地域ぐるみでの支援体制構築に向けたモデル事業を実施した。2023年度は、全国で16件のモデル地域を採択し、各地域特性を活かした支援体制構築に向けた取組を推進した。また、モデル事業から得られた知見や取組事例等をまとめたガイドブックを作成した。さらに、脱炭素に関する人材育成促進に向け、脱炭素アドバイザー資格制度の認定事業を創設し、資格制度の認定を開始した。

17.工場・事業場における先導的な脱炭素化取組推進事業(SHIFT事業)【令和5年度当初予算:36.9億円】

2030年度削減目標の達成や2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、工場・事業場における先導的な脱炭素化に向けた取組を推進する。特に、中小企業等に対して、CO2削減目標・計画の策定を支援するとともに、CO2削減量に応じた省CO2型設備等の導入を加速する。

2023年度より新たに、Scope3削減に取り組む企業が主導し、サプライヤー等の工場・事業場のCO2排出量削減に向けた設備更新を促進する取組の支援を追加。

18.環境・エネルギー対策資金(グリーントランスフォーメーション関連)【財政投融資】

温室効果ガス排出量を算定し、グリーントランスフォーメーション(GX)に取り組む中小・小規模事業者を支援するため、株式会社日本政策金融公庫によるGX関連融資を実施した。

19.中小企業基盤整備機構におけるカーボンニュートラル関連事業【中小企業基盤整備機構交付金の内数】

中小企業基盤整備機構の本部及び地域本部にカーボンニュートラル相談窓口を設置し、相談を受け付けるとともに、カーボンニュートラルに取り組む中小企業に専門家を派遣し、ハンズオン支援を実施した。また、カーボンニュートラルに取り組む必要性や具体的な取組方法などについて無料で学べる研修動画を公開した。

20.カーボンニュートラルに向けた投資促進税制【税制】

2050年カーボンニュートラルや温室効果ガス2030年度46%削減という国際公約を達成するため、大きな効果を持つ製品の生産設備や生産工程等の脱炭素化と付加価値向上を両立する設備の投資を促進するため、これらの設備投資に対する税額控除措置又は特別償却措置を引き続き講じた。

第2節 知的財産活動の促進

1.中小企業向けの特許料等の軽減

全ての中小企業を対象に、審査請求料、特許料(第1年分~第10年分)、国際出願に係る手数料(調査手数料、送付手数料、予備審査手数料)を1/2に軽減する措置及び国際出願手数料や取扱手数料の1/2に相当する額を交付する措置を実施した。また、中小スタートアップ企業・小規模企業に対しては、審査請求料、特許料(第1年分から第10年分)、国際出願に係る手数料(調査手数料、送付手数料、予備審査手数料)を1/3に軽減する措置及び国際出願手数料や取扱手数料の2/3に相当する額を交付する措置を実施した。なお、2024年1月1日以降に受理する手続に係る国際出願手数料・取扱手数料については、1/2、2/3等の金額を特許庁が負担する支援措置を実施したところ。

2.早期審査・早期審理制度

特許について、出願人や審判請求人が中小企業・小規模事業者の場合、「早期審査に関する事情説明書」や「早期審理に関する事情説明書」を提出することにより、通常に比べ早期に審査又は審理を受けられるよう早期審査・早期審理を実施した。また、その出願に係る発明を実施しており、外国特許庁にも出願している特許出願や、スタートアップによる特許出願であって、その出願に係る発明を実施している特許出願について、「早期審査に関する事情説明書」を提出することにより、通常の早期審査よりも更に早期に審査を行う、スーパー早期審査を実施した。意匠・商標についても早期審査・早期審理の要件を満たせば、早期に審査又は審理を受けられるよう早期審査・早期審理を実施した。

3.出張面接・オンライン面接

特許・意匠について、全国各地域の中小・スタートアップ等への支援を主な目的として、審査官・審判官が出張して行う出張面接を実施するとともに、特許・意匠・商標について、インターネット回線を利用し出願人自身のPCから参加できるオンライン面接を実施した。また、2017年7月に開設したINPIT 近畿統括本部(INPIT-KANSAI)においても、出張面接、オンライン面接を実施した。

4.特許情報の提供

国内外の特許情報をインターネット上で、無料で検索・照会できる下記サービスの提供を実施した。〔1〕2022年度に引き続き、「特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)」を通じて、特許・実用新案・意匠・商標の公報や審査経過情報を検索・照会できるサービスを提供した。加えて2023年度には、特許のリーガルステータスの提供等の改良を実施した。〔2〕2022年度に引き続き、「外国特許情報サービス(FOPISER)」を通じて、ASEAN等の日本企業の進出が著しい諸外国の特許情報を検索・照会できるサービスを提供した。

5.特許戦略ポータルサイト【令和5年度当初予算:0.1億円】

特許庁ホームページ内の特許戦略ポータルサイトにおいて、申し込みのあった出願人に対し、直近10年間の特許出願件数、審査請求件数、特許査定率等のデータが掲載された「自己分析用データ」を提供した。

6.知的財産権制度に関する普及

知的財産権制度に関する知見・経験のレベルに応じて、〔1〕知的財産権制度の概要や基礎的知識について説明する初心者向け説明会、〔2〕特許・意匠・商標の審査基準や、審判制度の運用、国際出願の手続等、専門性の高い内容を分野別に説明する実務者向け説明会、〔3〕最新の法令改正事項を広く説明する法改正説明会に係る動画コンテンツのオンライン配信を行った。

7.中小企業の知財に関するサービスの提供(INPIT知財総合支援窓口)【INPIT交付金の内数】

中小企業等が抱える様々な経営課題について、自社のアイデア、技術、ブランド、デザインなどの「知的財産」の側面から解決を図る地域に根付いた支援を行う窓口として、47都道府県に「INPIT知財総合支援窓口」を設置している。

INPIT知財総合支援窓口では、支援担当者が、アイデア段階から事業展開、海外展開までの様々な経営課題等に対し、弁理士や弁護士、デザイナー、中小企業診断士などの専門家と協働して、「知的財産」の側面から効率的・網羅的に解決を図るほか、職務発明・営業秘密などの知財管理や、地理的表示保護制度(GI)等の農業分野の知財、知財・標準化戦略等の様々な経営相談にも、よろず支援拠点をはじめとする関係支援機関と連携しつつ、対応している。

8.営業秘密に関する支援体制の整備【INPIT交付金の内数】

2015年に工業所有権情報・研修館(INPIT)に開設した「営業秘密・知財戦略相談窓口」において、知財総合支援窓口とも連携し、主に中小企業を対象として、企業の持つ技術を特許として権利化するか営業秘密として秘匿するかの技術上のオープン・クローズ戦略や、秘匿化を選択した際の営業秘密の管理等に関する相談に専門家が対応した。特に営業秘密の漏えい・流出事案や情報セキュリティ対策、サイバーアタックについては、警察庁や独立行政法人情報処理推進機構(IPA)との連携を継続した。加えて、地方自治体や中小企業支援機関が主催するセミナーへの講師派遣、eラーニングコンテンツ等による普及・啓発活動も実施し、本相談窓口の周知を通じて中小企業による活用を促進した。

9.知財金融促進事業(中小企業知財経営支援金融機能活用促進事業)【令和5年度当初予算: 1.3億円】

中小企業の知財を活用した経営を支援するため、金融機関に対し、中小企業の知財と事業との関係性を調査会社等が評価した「知財ビジネス評価書」や、評価書の内容を基に金融機関と専門家等が提案内容を検討し取りまとめた「知財ビジネス提案書」の提供を行うことで、金融機関が知財の観点を取り入れて事業性評価を行えるよう促し、知財に着目した融資や経営支援につなげる取組みを行った。

10.新興国等知財情報データバンク【INPIT交付金の内数】

工業所有権情報・研修館(INPIT)が運用するウェブサイト上で、新興国等でのビジネスに関わる我が国の企業の法務・知財担当者等を対象に、新興国等における出願実務、審判・訴訟実務、ライセンス実務情報、統計・制度動向等の情報を提供した。2023年度は、掲載記事の更なる拡充を行った。(2024年1月末現在:掲載記事数約3,500件)

11.中小企業知的財産支援事業【令和5年度当初予算:0.9億円】

産業支援機関等による先導的・先進的な知財支援の取組を地域に定着させることを通じて、中小企業等の知財保護・活用を促進するため、当該取組に対し、経済産業局等を通じて必要な経費を助成した。2023年度は、11件の取組を支援した。

12.海外知的財産プロデューサー派遣事業【INPIT交付金の内数】

海外における事業展開を知的財産リスクマネジメント及び知的財産活用の視点から支援するため、海外での事業展開が期待される有望技術を有する中小企業等に対し、知的財産マネジメントの専門家(海外知的財産プロデューサー)を工業所有権情報・研修館(INPIT)から派遣している。2023年度は、6人の海外知的財産プロデューサーにより、168者(2024年1月末現在)の支援を行った。

13.経営や事業課題の解決に資するIPランドスケープ支援事業【INPIT交付金の内数】

中小企業等が抱える市場での強みのいかし方や新たな市場の探索、連携相手候補の探索といった経営や事業の課題に対し、「市場」や「事業」の情報に「知財」の情報を合わせた分析を行い、強みをいかした解決策の提案をするIPランドスケープ支援事業を実施した。2023年度は全5回の公募を実施し、90件の支援を行った。

14.中小企業等外国出願支援事業(中小企業等海外出願・侵害対策支援事業費補助金)【令和5年度当初予算 8.0億円】

中小企業等による外国出願を支援するため、JETROや都道府県中小企業支援センター等を通じて、外国への事業展開等を計画している中小企業に対し、外国への出願に要する費用(外国特許庁への出願料、国内・現地代理人費用、翻訳費用等)の一部を助成した。

15.中小企業等外国出願中間手続支援事業(中小企業等海外出願・侵害対策支援事業費補助金)【令和5年度当初予算 8.0億円】

中小企業の外国出願の権利化を一層手厚く支援するため、JETROを通じて、外国出願の審査請求・中間応答に係る費用(外国特許庁への手数料、翻訳費用、審査請求・拒絶理由への応答に要する国内代理人・現地代理人費用)の一部を助成した。

16.中小企業等海外侵害対策支援事業(中小企業等海外出願・侵害対策支援事業費補助金)【令和5年度当初予算:8.0億円】

中小企業の海外での適時適切な産業財産権の権利行使を支援するため、JETROを通じて、模倣品に関する調査や模倣品業者に対する警告・行政摘発手続に要する費用を助成した。また、海外で現地企業等から知財権侵害で訴えられた場合の弁護士等への相談費用や訴訟に要する費用、冒認商標無効・取消係争の実施に要する費用についても助成した。

17.海外知財訴訟保険事業(中小企業等海外出願・侵害対策支援事業費補助金)【令和5年度当初予算:8.0億円】

中小企業等が海外において知財訴訟に巻き込まれた際の対抗措置をとることができるようにするため、中小企業等を会員とした全国規模の団体を運営主体として、知財訴訟費用を賄う海外知財訴訟保険を実施した。中小企業等を会員とする全国規模の団体に補助金を交付し、海外知財訴訟保険の掛金の1/2(継続して2年目以降も本補助金の対象となる場合は1/3)を助成し掛金負担を軽減することで、中小企業の加入を促進した。

18.中小企業等アウトリーチ事業(営業秘密漏えい対策)【令和5年度当初予算:16.8億円の内数】

中小企業の海外での意図しない営業秘密・技術流出防止を目指すべく、在外日系企業を主なターゲットにすえて、現地専門家によるハンズオン支援(研修、管理状況・労働契約書の改善案の作成、フォローアップ)と情報提供活動(営業秘密の管理・保護に向けたマニュアルの作成・啓発)を引き続き実施し、営業秘密の管理体制の構築を支援した。ハンズオン支援は中国、タイ、ベトナム、インドネシア及び一部のEUにおいて16件実施。

19.技術情報管理認証制度【令和5年度当初予算:16.8億円】

産業競争力強化法に基づき、自社の持つ技術情報やノウハウ等の管理体制について、事業者が国が認定した認証機関から認証を受けることができる「技術情報管理認証制度」により、事業者の情報セキュリティ対策を促進した(認証機関を8機関認定)。2023年度は、認証を取得するための基準の改訂に向けた検討、制度普及のためのセミナーを行った。また、主に中小企業を対象に、技術情報管理体制の構築に向けた支援等を行う専門家の派遣事業を実施した。

第3節 標準化の推進

1.中堅・中小企業等における標準化の戦略的活用の推進

「新市場創造型標準化制度」を活用して、中堅・中小企業等から提案のあった案件について、2014年から2024年1月までに規格を52件制定した。さらに、自治体・産業振興機関、地域金融機関、大学・公的研究機関(パートナー機関)と一般財団法人日本規格協会が連携し、地域において標準化の戦略的活用に関する情報提供・助言等を行う「標準化活用支援パートナーシップ制度」のパートナー機関数を2015年から2024年1月までに185機関に拡大した。また、中堅・中小企業等向けに、標準化に関する戦略的活用についてのセミナーを実施した。(2023年度の実績は2024年1月時点で5件)

2022年度の「新市場創造型標準化制度」における連携に続き、2023年度には「標準化活用支援パートナーシップ制度」においても、中堅・中小企業等による知的財産の戦略的活用を支援している独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT)と連携し、各企業との面談にINPIT知財総合支援窓口の支援担当者が参加し、必要に応じて弁理士等の専門家を派遣するスキームを導入した。このスキームにより、特許と標準を組み合わせた事業戦略の検討が可能となった。

第4節 調査・広報の推進

1.政策の広報

中小企業施策を普及・広報するため、施策のポイントをまとめたガイドブックやチラシ等を作成するほか、「ミラサポplus」を通じた情報発信等により、広く普及・広報を実施した。

(1)冊子等の発行

中小企業施策を利用する際の手引き書として200以上の施策を紹介した「中小企業施策利用ガイドブック」やチラシ等を作成し、電子媒体を中小企業庁HPに掲載するとともに、必要に応じ、中小企業支援機関等に配布した。

(2)インターネットを活用した広報

〔1〕ホームページによる広報:中小企業庁ホームページにおいて、中小企業施策に関する最新情報、公募に関する情報、広報のためのチラシ、冊子等を公表した。

〔2〕メールマガジン:中小企業支援機関等と連携し、補助金等の支援施策情報、地域情報、調査・研究レポート、イベント等の情報をメールマガジン登録者に毎週配信した。

(3)ミラサポplus

ミラサポplusを通じて最新の支援情報や補助金申請のノウハウ、活用事例等を分かりやすくタイムリーに全国の中小企業に届けた。

2.中小企業白書・小規模企業白書の作成

中小企業の現状や課題を把握するため、中小企業基本法第11条の規定に基づく年次報告等(2023年版中小企業白書)を作成した。また、小規模企業の現状や課題を把握するため、小規模企業振興基本法第12条の規定に基づく年次報告等(2023年版小規模企業白書)を作成した。

3.中小企業実態基本調査

中小企業の売上高、従業者数等の経営・財務情報に関する統計を整備するため、中小企業基本法第10条の規定に基づく中小企業実態基本調査を実施した。

4.中小企業景況調査の公表

中小企業の景気動向について、四半期ごとに独立行政法人中小企業基盤整備機構が実施する中小企業景況調査の公表を行った。

5.給付金等事業不正対応等事業【令和5年度当初予算:9.5億円】

持続化給付金、家賃支援給付金、一時支援金、月次支援金及び事業復活支援金に係る不正受給に関する調査、警察への捜査協力への対応等により、不正受給者に係る債権について、国の債権の管理等に関する法律に基づき、適切に管理及び回収を行った。

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