2024年版「小規模企業白書」 第4章 地域課題解決に向けた取組への支援の拡充等 | 中小企業庁

第4章 地域課題解決に向けた取組への支援の拡充等

第1節 強靭な地域経済と小規模事業者の持続的発展支援

1.地域の持続的発展のための中小商業者等の機能活性化事業【令和5年度当初予算:3.5億円】

商店街等が行う来街者の消費動向等の調査分析や新たな需要の創出につながる魅力的な機能の導入等を地方公共団体とともに支援した。2023年度は8件採択し、商業集積地の賑わい創出と地域の持続的発展を促進した。

また、地域に外部の専門人材を派遣し、テナントミックスの実現に向けた推進体制の構築や計画策定等を後押しするワークショップを全国16地域で実施するとともに、過年度採択地域も含めた交流会を実施し、地域づくりに携わる人材間のネットワーク構築を支援した。

さらに、商店街を核としたエリア価値向上を担う人材の総合的な能力開発やコーディネート能力の強化に向けた講座プログラム案の策定と商業・まちづくり分野の事例集を作成した。

2.中小企業連携組織対策推進事業【令和5年度当初予算:6.1億円】

中小企業組合等を支援する専門機関である全国中小企業団体中央会等を通じて、組合の設立指導、運営指導及び経営改善等に取り組むとともに、中小企業者が単独では解決することが難しい課題(ブランド化戦略、規制緩和への対応、SDGs、DXやGXの推進、海外販路開拓等)を解決するために連携して取り組む中小企業組合等が行う販路開拓等の事業に対する支援を実施した。さらに、外国人技能実習生受入事業を行う中小企業組合(監理団体)等の事業が適正に行われるよう、監理団体である中小企業組合等への巡回指導や監理団体役職員等への講習会の開催等の支援を行った。

3.面的地域価値の向上・消費創出事業【令和4年度補正予算:10.3億円】

商店街等が行う自らの魅力・地域資源等を活かした、新たな滞留・交流空間の整備や消費創出事業等を支援した。2023年度は60件の採択を行い、同事業を通じて商店街等の新たな需要の取り込みと地域内経済循環の向上を後押しした。

4.地方公共団体による小規模事業者支援推進事業【令和5年度当初予算:10.7億円、令和5年度補正予算:2.3億円】

ビジネスプランに基づいた経営を推進していくため、地方公共団体が、小規模事業者の経営計画作成や販路開拓等を支援する場合に、国がその支援施策の実行に係る経費の一部を支援(交付決定数:36件)した。

5.小規模事業対策推進等事業【令和5年度当初予算:53.9億円】

小規模事業者支援法第7条に基づき認定を受けた「経営発達支援計画」に沿って商工会・商工会議所が取り組む伴走型の小規模事業者支援を推進し、小規模事業者の需要を見据えた事業計画の策定や販路開拓等を支援(採択数:1,459件(2023年度実績))した(伴走型小規模事業者支援推進事業)。また、全国商工会連合会、日本商工会議所が各地の商工会、商工会議所等と連携して行う地域産業の活性化や観光ルート開発など地域の経済活性化に向けた取組を支援した(地域力活用新事業創出支援事業)。さらに、新型コロナウイルスによる影響や働き方改革等の制度改正等による諸課題に対し、小規模事業者が円滑に対応できるよう全国団体を通じて商工会・商工会議所等が窓口相談・巡回指導や講習会等を行うための専門家派遣を行った(制度改正等の課題解決環境整備事業)。

6.中心市街地活性化協議会運営支援事業【中小企業基盤整備機構運営費交付金の内数】

中心市街地活性化協議会の設立・運営に当たって、中小企業基盤整備機構に設置された中心市街地活性化協議会支援センターを中心に、各種相談対応、HPやメールマガジンでの情報提供、交流会の開催によるネットワーク構築支援等を行った。2023年度は、142件の相談対応を実施した。

7.中小企業アドバイザー(中心市街地活性化)派遣事業【中小企業基盤整備機構運営費交付金の内数】

中心市街地活性化協議会等が抱える様々な課題に対応するため、中小企業基盤整備機構に登録された経済活性化に関する各分野の専門家を派遣した。2023年度は、14地域に専門家を派遣した。

8.中心市街地経済活性化診断・サポート事業【中小企業基盤整備機構運営費交付金の内数】

中心市街地活性化協議会等が行う中心市街地における経済活性化の取組を支援するため、中小企業基盤整備機構における専門的ノウハウを活用し、セミナー等の企画・立案支援・講師の派遣や、個別事業の実効性を高めるための助言・診断・課題整理・情報提供等を行った。2023年度は、17地域でセミナーを開催し、79地域へ助言等を実施した。

9.地域・企業共生型ビジネス導入・創業促進事業(広域的課題解決プロジェクト実証、地域・社会課題解決に向けたマッチング、社会的インパクト評価の整理)【令和5年度当初予算:7.7億円の内数】

5以上の地域で社会課題解決と収益性の両立に取り組む中小企業等を支援するとともに、地方公共団体が抱える課題を整理・明確化し、地方公共団体と課題解決に取り組む中小企業等とのマッチングを行った。また、「地域の社会課題解決促進に向けたエコシステム研究会」を開催し、ゼブラ企業の支援に必要な体制や社会的インパクトの可視化等について整理を行い、「地域課題解決事業推進に向けた基本指針」を取りまとめた。

10.(再掲)ローカルスタートアップ支援制度【令和5年度当初予算:5.8億円】

11.各種展示会や商談会等による販路開拓支援【中小企業基盤整備機構運営費交付金の内数】

中小企業・小規模事業者が農商工連携等により開発した商品・サービス等について、中小企業基盤整備機構を通じて、展示会や商談会等の開催を行い、販路開拓・拡大を支援した。

12.販路開拓コーディネート事業【中小企業基盤整備機構運営費交付金】

中小企業基盤整備機構の専門家(商社・メーカー等出身)が優れた商品・サービスを持つ中小企業のマーケティング企画の策定・ブラッシュアップや首都圏又は近畿圏でのテストマーケティング、新市場進出のための営業体制構築のフォローアップなどの販路開拓に向けた取組を支援した。

13.J-GoodTech【中小企業基盤整備機構運営費交付金】

中小企業基盤整備機構が、ニッチトップやオンリーワンなどの優れた技術・製品を有する日本の中小企業の情報をウェブサイトに掲載し、国内大手メーカーや海外企業につなぐことで、中小企業の国内外販路開拓を支援した。

14.(再掲)地域DX促進環境整備事業(地域DX支援活動型)【令和5年度当初予算15.4億円の内数】

15.(再掲)地域DX促進環境整備事業(業種等特化型DX促進事業(地域DX支援活動型))【令和4年度補正予算:112.8億円の内数】

16.(再掲)地域DX促進環境整備事業(地域デジタルイノベーション実証型)【令和5年度当初予算:15.4億円の内数】

17.(再掲)地域DX促進環境整備事業(業種等特化型DX促進事業(地域デジタルイノベーション実証型))【令和4年度補正予算112.8億円の内数】

18.観光産業等生産性向上資金【財政投融資】

観光産業等の生産性向上及び観光消費の底上げを通じた日本経済の活性化を図るため、中小企業に対して日本政策金融公庫が必要な資金の貸付を行った。

19.企業活力強化資金流通・サービス業関連【財政投融資】

中小商業者・サービス業者等の経営の近代化及び流通機構の合理化並びに空き店舗等の解消を図るため、日本政策金融公庫が必要な資金の貸付を行った。2023年度は、2023年12月末時点で、2,678件支援した。

20.小規模事業者経営改善資金融資事業(マル経融資)【財政投融資】

小規模事業者を金融面から支援するため、商工会、商工会議所、都道府県商工会連合会の経営指導を受けている小規模事業者に対して、日本政策金融公庫が無担保・無保証人・低利で融資を行った。(2023年度の実績は、23,282件、1,381億円(2023年12月末時点))。

21.小規模事業者支援法による経営発達支援計画の認定

小規模事業者支援法第7条に基づき商工会・商工会議所が関係市町村と共同して、小規模事業者の技術の向上、新たな事業分野の開拓、その他の小規模事業者の経営の発達に資する計画を作成し、経済産業大臣が認定する。2022年度(第10回)において、296計画(321単会、322市町村)の認定を行った。

22.地域商店街の活性化に向けた総合的支援

地域商店街活性化法に基づき、商店街活性化事業計画を国が認定した商店街等について、支援措置を講じた。

23.全国商店街支援センターによる人材育成等

中小企業関係4団体が共同で設立した「全国商店街支援センター」において、人材育成、ノウハウ提供等の支援を行った。2023年度は2024年1月末時点で、84件支援した。

24.地域経済を牽引する企業に対する集中的な支援

地域未来投資促進法に基づき都道府県が承認する地域経済牽引事業計画について、2023年12月までに4,101計画が承認され、これらの計画に係る地域の特性をいかして地域経済を牽引する事業に対し、税制措置・金融措置・規制緩和・予算措置等による支援を行った。また、地域経済の中心的な担い手となり得る「地域未来牽引企業」に対して、各種補助金において採択における加点措置等を講じた。

25.中心市街地活性化のための税制措置【税制】

中心市街地活性化法による認定を受けた「特定民間中心市街地経済活力向上事業計画」に基づいて行われる不動産の取得等に対し、その不動産の所有権の移転登記等に対する登録免許税の税率を軽減とする措置を引き続き講じた。

26.地方拠点強化税制【税制】

地方における雇用創出のため、企業の特定業務施設(事務所、研究所、研修所)を東京23区から地方へ移転する場合や地方において拡充をする場合に、税制上の措置を引き続き講じた。具体的には、計画の認定を受けた企業のオフィス等に係る建物等の取得等について、取得価額の15%(移転型事業の場合、25%)の特別償却若しくは取得価額の4%(移転型事業の場合、7%)の税額控除の選択適用又はその地方拠点における雇用者数の増加に応じた税額控除を講じる措置、及び企業の地方拠点強化に係る地方交付税による減収補填措置等を講じた。

27.中小企業・小規模事業者はばたく300社

事業再構築・生産性向上、海外展開、GX/DXの実現や人への投資・環境整備といった観点から、優れた取組を行っている中小企業・小規模事業者を300社選定し、表彰することで、受賞企業の社会的認知度や事業者のモチベーションの向上等を図った。

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