第4節 まとめ

本章では、地域の持続的な発展には不可欠な事業者が地域課題の解決に取り組む実態や連携による取組の実態等について確認した。

第1節では、事業者が地域課題解決事業に取り組む意義や実際の取組状況に加えて、黒字化に向けた取組や資金調達などについて確認した。自治体において、事業者が地域課題の解決に取り組むことへの期待が高まっているほか、事業者においても今後、地域課題の解決に取り組む意向が高まってきていることなどが明らかになった。また、地域課題の解決に取り組む事業者のうち、黒字の事業者に着目して分析を行い、事業開始前において「事業が社会的に意義のあるものか」を十分に検討していることや、事業開始後において「事業の広域的な展開」に取り組む傾向にあることを確認した。さらに、地域課題の解決に取り組む事業者の資金調達について分析を行い、事業者が自身の事業の社会的意義を資金提供者に伝えていることが、資金調達の円滑化に向けて重要であることなどを確認した。

第2節では、地域課題の解決に取り組む事業者の連携の実態及び課題などについて分析した。事業者が地域課題の解決に向けて、自治体やほかの事業者と連携して取り組むことは、企業としての信用度向上につながる点などでも重要であることを確認した。また、事業者と自治体双方がそれぞれ、異なる課題を感じており、そのような課題を解消していくために、事業者と自治体をつなぐため役割を果たす組織・団体の存在が重要である可能性を示唆した。

第3節では、地域を支える商店街の状況について確認した。まず、商店街の空き店舗数や空き店舗率は大きく変動はしていないものの、感染症流行により売上高や来街者数が減少するなどの影響を受けていることが確認された。こうした中で、商店街は基本的な感染防止対策だけでなく、商店街を挙げて新サービスを提供していることが確認された。また、商店街に対しては、商業機能だけでなく、コミュニティ、人が集まる場所としての社会的機能への期待が高まっていることが分かった。また、小規模事業者が人口密度のより低い地域において存在感があることや、地域において、専門知識等を強みとした創業や、事業承継をきっかけに、新しい取組に挑戦していることを、事例を通じて確認した。

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