第2節 中小企業におけるイノベーションの効果
次に、中小企業のイノベーションの効果ついて、確認していく。
第1-4-4図は、東京商工会議所「中小企業のイノベーション実態調査」4を用いて、イノベーション活動別に、イノベーション活動によって得られた効果を見たものである。これを見ると、「革新的なイノベーション活動5に取り組んでいる」企業においては、「革新的ではないがイノベーション活動に取り組んでいる」企業と比べて、「競合との差別化」、「販路拡大(国内・海外)」につながると回答する割合が高いことが分かる。
4 東京商工会議所「中小企業のイノベーション実態調査」:東京商工会議所が、2020年10月において、東京23区内の10,000社の事業者(非上場の中小事業者(個人事業主も含まれる))を対象としたアンケート調査を実施(有効回答1,259件、有効回答率12.6%)。なお、本調査におけるイノベーションとは、「売上や業務の効率化など生産性向上に寄与し、経済的な価値を生み出す、課題解決に向けた企業における新たな取組。革新的なイノベーションだけでなく、自社にとって新しい、または改善された取組も含む」とされている。
5 ここでいう「革新的なイノベーション活動」とは、競合他社が導入していない全く新しい取組を指す。
