第3節 まとめ
本章では、小規模事業者による地域課題解決への取組状況や他者との連携状況について分析を行った。
第1節では、小規模事業者が取り組んでいる地域課題に関する具体的内容やその取組の自社内における位置付け、利益状況を概観した。地域課題解決への取組を進める事業者において、現状では、事業として取り組んでいる小規模事業者は多く存在しない一方で、地域貢献の一環として取り組んでいる小規模事業者に比べ、自社全体の利益状況を黒字と回答する割合が高いことが分かった。また、実際に自社の中心事業として地域課題解決への取組を行い、収益性を確保しているモデルも存在している。
第2節では、小規模事業者が地域課題解決に向けた取組を行う際の他の事業者との連携状況や効率的な連携の進め方について分析した。自地域内の事業者との連携を既に行っている、あるいは検討している小規模事業者は半数を超えていることが分かった。さらには、これまで自地域には存在していなかった仕組みやインフラの提供を行うことで、地域課題解決に向けた連携をより効率的に進めている事業者も存在していることを確認した。あわせて、支援機関も自身の持つネットワークやノウハウを活用して、小規模事業者の連携を支援していることが明らかとなった。地域の持続的な発展に向けては、小規模事業者が単独で活動するのではなく、多様な主体と連携していくことが必要といえよう。