第5節 まとめ
中小企業の多様性を踏まえ、中小企業の役割・機能によって、四つの類型に分類し、それぞれの特徴に合わせた支援策の方向性を確認した(第1-3-6図)。

第1節では、「グローバル型」、「サプライチェーン型」、「地域資源型」、「地域コミュニティ型」の四つの類型の特徴を確認し、それぞれの類型について成長や支援の在り方を確認した。
第2節では、「地域資源型」、「地域コミュニティ型」の企業について、人口減少下における現状の課題や、規模拡大による労働生産性向上ではなく、持続的成長・発展を通じた地域経済や雇用の維持のための支援の方向性について確認した。
第3節では、「グローバル型」、「サプライチェーン型」の企業については、中堅企業への成長を通じて海外で競争できる企業を増やすための支援の方向性について確認した。
第4節では、いずれの類型の企業においても必要な、企業の活動を共に支えるための共通基盤として、大企業と中小企業の共存共栄関係の構築に向けた取組や、災害などに備える事業継続力強化に向けた取組の方向性について確認した。
今後、それぞれの中小企業が目指す姿を実現するために必要な支援策の検討を進めていくことが必要である。その際、ウィズ・コロナ、そしてポスト・コロナを見据え、中小企業のIT化・デジタル化を進めていくことは不可欠である。
また、いずれの姿を目指すにも、中小企業自身が経営戦略を明確にすることは重要であり、それを促す支援機関ネットワークの構築も課題である。