第2節 地域資源型・地域コミュニティ型企業の目指す方向性と支援の在り方
本節では、制度設計ワーキンググループにおける検討を踏まえ、四つの類型のうち、地域資源型・地域コミュニティ型企業の目指す方向性と支援の在り方について紹介する。
1.地域の中小企業・小規模事業者の現状と課題
人口密度の低い地方ほど、商店街の衰退、働き手・働く場所の不足、地場産業の衰退などの課題に直面しており、こうした課題の解決は、地域の持続性確保の観点からも必要な取組である。小規模事業者には、こうした地域課題の解決に当たって中心的な役割を担うことが期待されている。
一方、人口減少が加速し、域内需要の減少が進み、地域の中小企業・小規模事業者の事業の存立基盤が大きく揺らいでいる。第1-3-3図は、市区町村単位で人口の変化を示したものである。2045年の人口は、7割以上の市区町村で2015年に比べ2割以上減少する見込みである。今後、事業者が利益を獲得していくためには、域外への販路開拓が重要である。また、マークアップ率の向上につながる、「質の高い商品・サービスを相応の価格で提供すること」を目指す取組も重要である。

2.地域の中小企業・小規模事業者の支援の方向性
地域の中小企業・小規模事業者の現状を踏まえ、引き続き、小規模事業者の新たなビジネス構築や販路開拓の取組を支援することが重要な政策課題である。また、人口減少により、域内需要が減少していく中では、事業者による生産性向上の取組に加え、地域の需給バランスを踏まえた持続可能な経済圏の形成や、地域資源を最大限活用した域外需要の取り込みも必要である。その際、地域の担い手を特定の上、基礎自治体などが連携して、持続可能な地域経済モデルを確立することが重要である。