令和元年度において講じた小規模企業施策
第1章 需要を見据えた経営の促進
第1節 生産性向上・技術力の強化
1.戦略的基盤技術高度化・連携支援事業【H31年度当初予算:130.9億円】
中小ものづくり高度化法の計画認定又は地域未来投資促進法の計画承認を受けた中小企業・小規模事業者が大学、公設試等の研究機関等と連携して行う、研究開発等に関する取組を支援した。また、中小企業等経営強化法に基づいて認定された異分野連携新事業分野開拓計画に従って行う中小企業・小規模事業者が、産学官連携して行う新しいサービスモデルの開発等を支援した。(採択件数:ものづくり137件、サービス34件)(継続)
2.産業技術総合研究所における中堅・中小企業への橋渡しの取組【産業技術総合研究所運営費交付金の内数】
産総研の技術シーズと企業等のニーズを橋渡しするコーディネータを拡充し、200名配置(2019年11月1日時点)。中小企業等を支援するコーディネータにより、適切な専門家を紹介し自社だけでは研究できないテーマについては、受託研究や共同研究などを実施した。(継続)
3.中小企業のものづくり基盤技術の高度化に向けた総合支援
中小ものづくり高度化法に基づき、高度化指針に沿った特定研究開発等計画について認定を行い、計画が認定された中小企業・小規模事業者に対して戦略的基盤技術高度化支援事業や、融資、保証の特例等により総合的な支援を実施した。(2019年新規認定件数:292件)(継続)
4.研究開発税制(中小企業技術基盤強化税制)【税制】
中小企業者等について、試験研究費の総額に応じて税額控除を認める「総額型」に、試験研究費の増加割合に応じた税額控除率(12%~17%)を適用する(大企業は6%~14%)とともに、試験研究費の増加割合が8%を超える場合には税額控除の上限を10%上乗せする措置を講じた。令和元年度改正においては、特別試験研究費(大学、国の研究機関、企業等との共同・委託研究等の費用)の総額に係る税額控除制度、試験研究費の額が平均売上金額の10%相当額を超える場合の控除率の一定程度割増し及び税額控除の上限を上乗せする制度並びに研究開発を行う一定のベンチャー企業に係る控除上限額の引上げ措置等を講じた。(継続)
5.中小企業技術革新制度(SBIR制度)に基づく支援
新産業の創出につながる新技術開発のための特定補助金等の指定、支出の目標額、特定補助金等を利用して開発した成果の事業化支援措置等の方針の作成等により、引き続き国の研究開発予算の中小企業・小規模事業者への支出機会拡大及び技術開発成果の事業化を図った。さらに、技術開発成果の事業化を促進するため、特定補助金等の採択企業の技術力をPRするデータベースや日本政策金融公庫による特別利率による融資等の事業化支援措置を中小企業・小規模事業者等に周知し、利用促進を図った。(2019年度における支出目標額:460億円)(継続)
6.異分野連携新事業分野開拓
中小企業等経営強化法に基づき、異分野の中小企業が連携し、その経営資源(技術、販路等)を有効に組み合わせて行う新商品・新サービスの開発・販売等の事業計画に対して認定を行い、補助金による支援を行うとともに、融資、保証の特例などにより総合的な支援を実施した。(2019年新規認定件数:27件)(継続)
7.医工連携事業化推進事業【H31年度当初予算:27.3億円】
医療機器開発支援ネットワークを推進し、開発初期段階から事業化に至るまでの切れ目ない支援として、事業開始から約1,680件の伴走コンサルを実施した。また、ものづくり中小企業や医療機関等の連携による医療機器開発を促進するため、開発・事業化事業において本年度31件の医療機器実用化を支援した。(継続)
8.企業活力強化資金(ものづくり法関連)【財政投融資】
中小企業者のものづくり基盤技術の高度化の促進を図るため、日本政策金融公庫が必要な資金の貸付を講じた。(継続)
9.中小企業等経営強化法
2019年6月に成立した、中小企業の事業活動の継続に資するための中小企業等経営強化法等の一部を改正する法律に基づき、事業継続力強化に関する「基本方針」を策定し、中小企業の事業継続力強化に関する計画の認定をすることした。また、中小企業等経営強化法に基づく経営力向上計画を策定し、認定された企業に対し、中小企業経営強化税制や日本政策金融公庫の融資制度等税制面や金融面の支援を講じ、2020年1月末時点において、10万339件を認定。(継続)
10.中小企業経営強化税制【税制】
中小企業等経営強化法に基づき経営力向上計画の認定を受けた中小企業が、その経営力向上計画に基づき経営力向上設備等を取得した場合に、即時償却又は10%の税額控除(資本金3,000万円超の法人の税額控除は7%)ができる措置。令和元年度税制改正において、適用期限が2年延長された。(継続)
11.ものづくり・商業・サービス高度連携促進事業【H31年度当初予算:50.0億円】
複数の中小企業・小規模事業者等が、事業者間でデータ・情報を共有し、連携体全体として新たな付加価値の創造や生産性の向上を図るプロジェクトを支援した(2019年度採択者数:301者)。(新規)
第2節 IT化の促進
1.政府系金融機関の情報化投資融資制度(IT活用促進資金)【財政投融資】
中小企業の生産性向上に寄与するIT活用を促進するため、日本政策金融公庫による融資を着実に実施した(2019年度の実績は104件、19.0億円(2019年12月末時点))。
2.サービス等生産性向上応援隊事業【H31年度当初予算:0.2億円】
サービス事業者の日常的な相談先である支援機関やITベンダーに対して、IT活用や生産性向上に関する助言、専門家への橋渡しの役に立つオンライン講座等を提供した。あわせて支援機関とITベンダーのマッチングの機会を提供し、地域におけるIT支援関係者の連携を促進する取り組みを本事業と並行して実施した。(新規)
3.認定情報処理支援機関(スマートSMEサポーター)
中小企業の生産性向上に資するITツールを提供するITベンダー等を、経済産業大臣が「情報処理支援機関(スマートSMEサポーター)」として605機関を認定(2019年12月末時点)し、中小企業に対してIT利活用(サイバーセキュリティを含む)に係る指導、助言、情報提供等に関する支援を行った。(新規)
4.サービス等生産性向上IT導入支援事業【R1年度補正予算:3,600億円の内数】
中小企業等が行う、バックオフィス業務の効率化や新たな顧客獲得等の付加価値向上に資するITツールの導入を支援した。(新規)
第3節 販路・需要開拓支援
1.小規模事業対策推進事業【H31年度当初予算:50.3億円】
小規模事業者支援法に基づき認定を受けた「経営発達支援計画」に沿って商工会・商工会議所が取り組む伴走型の小規模事業者支援を推進し、小規模事業者の需要を見据えた事業計画の策定や販路開拓等を支援(採択数:1,730件)した(伴走型小規模事業者支援推進事業)。また、地域の小規模事業者による全国規模の市場に向けた事業展開を促進するため、商工会・商工会議所等が事業者と協力して進める、特産品開発や観光開発及びその販路開拓等の事業(採択数:調査研究事業:36件、本体事業(1年目:51件、2年目:15件)に対し、幅広い支援を行った(地域力活用新事業創出支援事業)。(継続)
2.各種展示会や商談会等による販路開拓支援
中小企業・小規模事業者が農商工連携や地域資源活用等により開発した商品・サービス等について、中小企業基盤整備機構が展示会や商談会等の開催を通じて、販路開拓・拡大を支援した。(継続)
3.販路開拓コーディネート事業
中小企業者等が新商品・新技術・新サービスについて、首都圏・近畿圏におけるテストマーケティング活動の実践を通じ、新たな市場への手がかりを掴むとともに、販路開拓の力をつけることを中小企業基盤整備機構に配置されている商社・メーカー等出身の販路開拓の専門家(販路開拓コーディネーター)が支援した。
4.販路開拓サポート支援事業
中小企業基盤整備機構の全国10支部・事務所にマーケティング等に精通した専門家を配置し、中小企業等経営強化法、中小企業地域産業資源活用促進法、農商工連携促進法に基づく事業計画の策定により、新事業に取り組む中小企業等に対して一貫してきめ細やかな支援を行った。(継続)
5.新創業融資制度【財政投融資】
日本政策金融公庫が、新たに事業を開始する者や事業を開始して間もない者に対し、無担保・無保証人で融資を実施した。(継続)
6.J-GoodTech
中小企業基盤整備機構が、ニッチトップやオンリーワンなどの優れた技術・製品を有する日本の中小企業の情報をウェブサイトに掲載し、国内大手メーカーや海外企業につなぐことで、中小企業の国内外販路開拓を支援した。(継続)
7.地方公共団体による小規模事業者支援推進事業【H31年度当初予算:10.1億円】
ビジネスプランに基づいた経営を推進していくため、地方公共団体が、小規模事業者の経営計画作成や販路開拓等を支援する場合に、国がその支援施策の実行に係る経費の一部を支援した。(新規)
8.小規模事業者持続的発展支援事業【H30年度補正予算:1,100億円の内数】
小規模事業者が、商工会・商工会議所と一体となって経営計画を作成し、販路開拓に取り組む費用を支援(採択数:2万9,945件)した(小規模事業者持続化補助金)。また、地域経済を支える小規模事業者等が互いに経営資源を補いながら商品やサービスを展開していく取組を支援(採択数:114件)した(共同・協業販路開拓支援事業費補助金)。
第4節 海外展開支援
1.日本の中堅・中小企業とのグローバルアライアンス支援
日本の中堅・中小企業と外国企業との投資提携等を支援すべく、JETROが窓口となり、外国企業の要望等を中小企業基盤整備機構等の関係機関に繋ぎ、日本の中堅・中小企業と外国企業とのマッチングや、官民ファンドの活用を図る体制を整備した。(継続)
2.現地進出支援強化事業(国内・海外販路開拓強化支援事業)【H31年度当初予算:23.9億円の内数】
情報提供、海外展示会や商談会等を通じた販路拡大支援、商談後のフォローアップ、現地進出後の事業安定・拡大支援(プラットフォーム事業)等、段階に応じた支援を提供し、海外進出、また発展させるまでを一貫して支援する。また、中小企業が多く進出している国の税制等について、セミナーや、各国税制等や税務に係る留意事項を記載したパンフレットの配布等により、海外展開を行う中小企業の税務に係る態勢整備を支援した。(新規)
3.JAPANブランド育成支援事業(国内・海外販路開拓強化支援事業)【H31年度当初予算:23.9億円の内数】
中小企業の海外でのブランド確立の実現を図るため、複数の中小企業が連携し、自らが持つ素材や技術等の強みを踏まえた戦略の策定や、当該戦略に基づいて行う商品の開発や海外展示会への出展等の取組を支援した。(継続)
4.中小企業海外ビジネス人材育成支援事業(中小企業・小規模事業者人材対策事業)【H31年度当初予算:13.7億円の内数】
中小企業の海外ビジネス担当者を対象に、海外の市場情報や制度情報の集め方、海外バイヤーとのコミュニケーション方法などの学習に加え、グループワークを通じた海外ビジネス戦略・方針の策定、海外でのフィールドワークによる市場調査経験(初級)や実践的な現場研修(上級)ができるプログラムを提供した。また、参加者と参加者の上長による事前評価と、事後評価を行い、事業成果を測定・把握するとともに、参加者がプログラムへの参加報告を発表する場を設けて、他の中小企業の参考とした。(新規)
5.海外展開・事業再編資金【財政投融資】
経済の構造的変化に適応するために海外展開または海外展開事業の再編を行うことが経営上必要な中小企業、もしくは海外展開事業の業況悪化等により、本邦内における事業活動が影響を受けている中小企業の資金繰りを支援するため、日本政策金融公庫(中小企業事業、国民生活事業)による融資を実施した。(継続)
6.海外子会社の資金調達支援等
中小企業経営力強化支援法に基づき、日本政策金融公庫が新事業活動促進法の経営革新計画の承認等を受けた中小企業者の海外子会社等の現地金融機関からの借入れに対して債務保証を実施した。(継続)
7.技術協力活用型・新興国市場開拓事業【H31年度当初予算:44.0億円の内数】
我が国企業の新興国市場獲得支援のため、以下の事業を実施した。
〔1〕経営・製造・オペレーション等に従事する開発途上国の管理者・技術者等に対し、日本への受入研修、専門家派遣による指導等を支援。2019年度は793名の受入研修及び34名の専門家派遣を実施した(2019年12月末現在)。〔2〕日本で働くスキルを有する外国人材の育成と日本企業における体制強化のため、日本企業への外国人のインターンシップ受入を実施。〔3〕開発途上国の社会課題を解決する製品・サービスの開発等に、開発途上国現地の大学・研究機関・NGO・企業等と共同で取り組む日本企業への補助。2019年度は13案件の補助を行った。(継続)
8.JICA海外協力隊(民間連携)(旧民間連携ボランティア制度)の活用及び帰国隊員とのマッチング【H31年度予算:1,504.8億円の内数
国際協力機構(以下「JICA」という。)においては各企業のニーズに合わせ、社員をJICA海外協力隊として途上国に派遣する民間連携の制度を活用し、グローバル社会で活躍できる人材の育成に努めた。また、帰国したJICA海外協力隊の進路開拓支援の一環として、特定の途上国を熟知した人材(協力隊員)の採用を希望する企業の情報を帰国隊員に提供したり、これら企業と帰国隊員とが直接対話できる交流会や帰国報告会等を開催した。(継続)
9.中小企業の貿易保険利用における企業信用調査の減免措置
中小企業の貿易保険を活用した輸出支援のため、貿易保険を利用する際の格付付与に必要な取引先の信用情報の提供について、日本貿易保険(以下「NEXI」という。)が代わって信用情報を取得し、その費用を負担する措置を引き続き講じた。2008年より3件としていた無料での信用調査を2015年度から8件に拡大。(継続)
10.中小企業による貿易保険の利用促進のための普及・広報活動(セミナー・相談会)
中小企業による貿易保険の利用を促進するため、中小企業向けのホームページを刷新。日本政策金融公庫やJETRO等が全国で主催するセミナーや提携地方銀行等の行員勉強会等にNEXIから講師を派遣し、貿易保険の普及啓発を行った。説明会等では、中小企業向け商品である中小企業・農林水産業輸出代金保険を中心に、わかりやすい紹介動画や漫画冊子を活用し、貿易保険の一層の理解と普及に努めた。(継続)
11.貿易保険へのアクセス改善
中小企業の海外展開を支援するため、NEXIは、2011年12月に地方銀行11行との提携による「中小企業海外事業支援ネットワーク」を発足した。提携機関は年々拡大し、また、2016年には信用金庫とも提携を行うことで信金ネットワークを構築。現在では、全国111金融機関によるネットワークを構築している(2020年2月現在)。(継続)
12.民間損保企業との協業による海外投資保険の提供(NEXI再保険スキーム)
中堅・中小企業の海外展開を支援するため、貿易保険法の施行令を2019年7月に改正し、NEXIが、民間損保企業から海外投資保険の再保険を引き受けることを可能とした。大手損保企業を中心に、同年8月以降、全国の損保代理店を通じ、海外投資保険を提供開始。(新規)
13.中小企業等アウトリーチ事業(安全保障貿易管理対策事業)【H31年度当初予算:0.8億円】
各地方経済産業局や業界団体等と連携し、中小企業等を対象とした安全保障貿易管理に係る説明会を全国で開催した。また輸出管理体制構築を検討する中小企業等に対して専門のアドバイザーによる相談対応、派遣を通じて輸出管理体制の構築を支援した。全国で説明会を74回開催。アドバイザーによる相談対応実績40社。(新規)
14.基礎調査、案件化調査、普及・実証・ビジネス化事業(中小企業製品・技術とODAのマッチング事業)【H31年度当初予算:1,504.8億円の内数】
ODAにより、途上国の開発と日本経済の活性化の両立を図ることを目的として、日本の中小企業等の優れた製品・技術等を途上国の開発に活用した。(継続)
15.中小企業等の海外展開支援(中小企業製品を活用した機材供与)【H31年度当初予算:1,631.0億円の内数】
途上国政府の要望や開発ニーズに基づき、日本の中小企業等の製品を供与することを通じ、その途上国の開発を支援するのみならず、中小企業等の製品に対する認知度の向上等を図るもの。(継続)
16.新輸出大国コンソーシアム【H31年度当初予算:249.6億円の内数、R1年度補正予算:29億円の内数】
JETRO、中小企業基盤整備機構、商工会議所、商工会、金融機関等の支援機関を結集するとともに、幅広い分野における247名の専門家を確保(2020年3月3日時点)し、海外展開を図る中堅・中小企業に対して、事業計画の策定から販路開拓、現地での商談サポートに至るまで、総合的な支援をきめ細かに実施した。(継続)
17.越境EC等利用促進事業【H31年度当初予算:249.6億円の内数、R1年度補正予算:29億円の内数】
18ヵ国、24連携先にJETROが海外の主要ECサイトに「ジャパンモール」を設置し、海外ECサイトにおける食品や日用品等の日本商品の販売支援を実施した。(継続)