トップページ 白書・統計情報 小規模企業白書 2020年版 小規模企業白書(HTML版) 第3部 中小企業・小規模事業者と支援機関 第3章 中小企業支援機関の役割 第3節 まとめ

第3部 中小企業・小規模事業者と支援機関

第3章 中小企業支援機関の役割

第3節 まとめ

本章では、支援機関ごとの特徴や支援機関同士の連携の状況について確認した。

第1節では、支援機関ごとの特徴について分析した。小規模事業者を主な支援対象とする商工会・商工会議所・中央会では、一人当たりの対応事業者数が50者以上となっている割合が圧倒的に高いことが分かった。また、支援機関ごとにも強み・弱みが存在するが、全体として見ると、「技術・研究開発」や「ICT活用」などへの対応が相対的に進んでいない傾向が明らかとなった。さらに、支援スキルや能力向上の取組として、経営革新計画の策定支援を通じて職員の支援機能の強化を図る取組(事例3-3-2)や、RPAを活用した業務効率化に成功し、経営支援の強化につなげた取組(事例3-3-6)などを紹介した。

第2節では、支援機関同士の連携状況について確認した。「営業・販路開拓」や「財務」の分野では、支援機関同士の連携が進んでいるが、「商品・サービスの開発等」、「技術・研究開発」などの分野では、更なる連携が期待されることを示した。連携の促進に当たっては、連携相手の支援実績や能力の情報不足を解消することが重要であることも分かった。また、事例3-3-8のように、支援機関同士のネットワーク形成と集中的な支援を展開するプラットフォームの構築も、効率的な支援実施に資する取組であるといえよう。

また、第2章でも言及したとおり、中小企業・小規模事業者においては、現状把握、経営計画の策定・運用といった各プロセスにおいて、外部支援を有効に活用することが重要であり、支援機関においても、事業者の身近な存在として、経営課題解決のプロセスに積極的に関与していくことが期待される。なお、事業者の経営課題を「見える化」することは、適切な支援機関とのマッチングの土台ともなり、支援機関同士の連携や支援効果の最大化を図る上でも重要であると考えられる。

事業者の抱える経営課題が多様化・複雑化する中、支援機関においては、個々の支援能力の更なる向上に加え、他機関との連携に積極的に取り組んでいくことが期待される。