トップページ 白書・統計情報 中小企業白書 2020年版 中小企業白書(HTML版) 令和元年度において講じた中小企業施策 第5章 経営の下支え、事業環境の整備

令和元年度において講じた中小企業施策

第5章 経営の下支え、事業環境の整備

第1節 取引条件の改善

1.下請等中小企業の取引条件の改善【H31年度当初予算:9.6億円の内数】

様々な業種の取引条件改善を目的とした対策パッケージ「未来志向型の取引慣行に向けて」(2016年9月公表)に基づき、2020年1月末までに自動車や電機・情報通信機器、産業機械など14業種39団体において、取引適正化と付加価値向上に向けた「自主行動計画」が策定された。策定団体は、毎年、自らフォローアップ調査を実施して、その進捗状況を国に対して報告している。また、2017年より全国に下請Gメンを配置し、現在120名体制で、年間4,000件超を目標に下請中小企業へのヒアリング調査を実施しており、2020年1月末までに累計で約1万1,000社から生の声を収集しているところ。(継続)

2.下請代金法の運用【H31年度当初予算:9.6億円の内数】

下請取引の適正化、下請事業者の利益保護のため、公正取引委員会と中小企業庁が密接な協力関係の下、下請代金法を執行した。公正取引委員会及び中小企業庁が親事業者等に対して書面調査等を実施するとともに、下請法違反事実に関する情報収集を行い、下請代金法の厳格な運用に努めた。(継続)

3.取引適正化に向けた取組の周知徹底【H31年度当初予算:9.6億円の内数】

全国48か所に設置した「下請かけこみ寺」において、中小企業等の企業間取引における相談に対応した。また、下請等中小企業の経営者や営業担当者が、親事業者への価格交渉を行う上で必要な価格交渉ノウハウについて、個別指導やセミナー等を行った。また、下請法等の違反行為を未然に防止するため、親事業者の調達担当者等を対象とした講習会を開催し、一層の周知を図るほか、全国で親事業者の取組事例等を紹介し、広く下請法の遵守を呼びかけるシンポジウム等を開催した。さらに、親事業者と下請事業者の望ましい取引関係を構築するためのガイドライン(下請適正取引等の推進のためのガイドライン。経済産業省、国土交通省、総務省及び農林水産省の所管18業種)について、全国で説明会を実施した。(継続)

4.下請中小企業振興法「振興基準」の改正【H31年度当初予算:9.6億円の内数】

2020年1月31日に、下請中小企業振興法の「振興基準」に、〔1〕「新たな型取引のルール」に基づき、型取引の適正化を図ること〔2〕下請中小企業の業務効率化を目的に、「受発注システム等の電子化」に積極的に対応することなどについて盛り込み、改正を行ったところ。(新規)

5.下請取引あっせん、商談会による販路開拓支援【H31年度当初予算:9.6億円の内数】

新たな取引先を開拓したい下請中小企業・小規模事業者に対して、販路開拓を支援するため、広域商談会を8会場で開催した。(継続)

6.下請事業者への配慮要請等

2019年11月、経済産業大臣及び公正取引委員会委員長の連名で、親事業者(約20万社)及び業界団体代表者(約1,100団体)に、下請取引の適正化等について要請した。(継続)

第2節 官公需対策

1.「令和元年度中小企業者に関する国等の契約の基本方針」の策定及び周知徹底【H31年度当初予算:9.6億円の内数】

「令和元年度中小企業者に関する国等の契約の基本方針」を9月10日に閣議決定し、中小企業・小規模事業者向けの契約比率を55.1%、契約金額を約4兆3,369億円と目標設定した。地方公共団体と連携した「働き方改革」に関する取組の強化や、事業継続力が認められる中小企業・小規模事業者に対する配慮、消費税率引き上げによる適正な転嫁などについての措置を主に盛り込んだ。また、基本方針を周知徹底するために以下の取組を実施した。

(1)経済産業大臣から各府省等の長、都道府県知事、全市町村の長及び東京特別区の長(1,805団体)に対し、文書により「基本方針」の趣旨を説明するとともに、中小企業・小規模事業者の受注機会の増大に努めるよう要請した。(2)地方自治体に対する「基本方針」の周知徹底を図るため、説明会(官公需確保対策地方推進協議会)を9月から11月にかけて全国50箇所で開催した。(3)「基本方針」をはじめとした国の施策や調達に関する取組事例に関する情報共有を行い、国と地方自治体との連携方策を協議するための会議(都道府県中小企業者調達推進協議会)を7月に開催した。(4)「官公需契約の手引」を作成し、国等の機関、地方公共団体等の機関及び商工関係団体等に配布した。(継続)

2.中小企業・小規模事業者の受注機会増大のための「官公需情報ポータルサイト」【H31年度当初予算:9.6億円の内数】

中小企業・小規模事業者が官公需に関する発注情報を入手しやすくするため、国等や地方公共団体がホームページで提供している発注情報等を中小企業・小規模事業者が一括して入手できる「官公需情報ポータルサイト」を運営した。(継続)

第3節 消費税率引上げ対応支援

1.消費税転嫁状況監視・検査体制強化等事業【H31年度当初予算:32.5億円】

消費税の円滑かつ適正な転嫁を行うため、全国に転嫁対策調査官を配置した。併せて、消費税の転嫁拒否等の行為に関する情報を収集するため、公正取引委員会と合同で中小企業・小規模事業者全体に対して大規模な書面調査を実施するなど、転嫁拒否行為等の監視・取締りを行った。(継続)

2.商店街活性化・観光消費創出事業

地域と連携して魅力的な商業・サービス業の環境整備等を行い、インバウンドや観光といった新たな需要を効果的に取り込む商店街の取組に対して支援を行った。2019年度(1月末時点)において、81件採択した。(新規)

3.キャッシュレス・消費者還元事業【H31年度当初予算:2,798億円、R1年度補正予算:1,497億円】

2019年10月1日の消費税率引上げに伴い、需要平準化対策として、キャッシュレス対応による生産性向上や消費者の利便性向上の観点も含め、消費税率引上げ後の一定期間に限り、中小・小規模事業者によるキャッシュレス手段を使ったポイント還元を支援。本支援を実施することで中小・小規模事業者における消費喚起を後押しするとともに、事業者・消費者双方におけるキャッシュレス化を推進した。(新規)

第4節 消費税軽減税率対策

1.中小の小売事業者等に対するレジの導入・システム改修等支援

消費税軽減税率制度の実施に向け、中小企業・小規模事業者の準備が円滑に進むように支援を行う。具体的には、〔1〕複数税率に対応したレジの導入等の支援、〔2〕複数税率に対応するための電子的な受発注システムの改修等の支援、〔3〕区分記載請求書等保存方式に対応するために必要となる請求書等の作成に係るシステムの開発・改修やパッケージ製品等の導入に要する経費の支援を行った。(継続)

2.消費税軽減税率対応窓口相談等事業

消費税軽減税率制度を円滑に実施するため、中小企業団体等と連携して、講習会・フォーラムの開催、相談窓口の設置や巡回指導型専門家派遣を通じたきめ細かいサポート、パンフレット等による周知等を行う。また、消費税転嫁対策窓口相談等も併せて実施した。(継続)

第5節 資金繰り支援、事業再生支援

1.セーフティネット貸付【財政投融資】

日本政策金融公庫が、社会的、経済的環境の変化等外的要因により、一時的に売上の減少等業況悪化を来たしている中小企業・小規模事業者等の資金繰りを支援。2019年度の貸付実績は、約3,000件、約1,400億円となった(2019年12月末時点)。(継続)

2.小規模事業者経営改善資金融資事業(マル経融資)【財政投融資】

小規模事業者を金融面から支援するため、商工会、商工会議所、都道府県商工会連合会の経営指導を受けている小規模事業者に対して、日本政策金融公庫が無担保・無保証人・低利で融資を行った。(2019年度の実績は、3万4,956件、2,202億円(2019年12月末時点)。)(継続)

3.小規模事業者経営発達支援資金融資事業【財政投融資】

事業の持続的発展に取り組む小規模事業者を支援するため、小規模事業者支援法に基づく経営発達支援計画の認定を受けた商工会・商工会議所による経営指導を受ける小規模事業者に対し、日本政策金融公庫が低利で融資を行った。(2019年度の実績は、19件、2.7億円(2019年12月末時点)。)(継続)

4.資本性劣後ローンの推進【財政投融資】

日本政策金融公庫が、新事業展開や経営改善に取り組む中小企業・小規模事業者に対し、財務体質を強化するとともに、民間金融機関からの資金調達を円滑に図るため、自己査定の債務者区分の決定に当たり自己資本とみなし得る一括償還の資金(資本性資金)を供給することで、中小企業・小規模事業者の資金繰りを支援。2019年度の貸付実績は、約640件、約440億円となった(2019年12月末時点)。(継続)

5.中小企業・小規模事業者経営力強化融資

日本政策金融公庫が、認定経営革新等支援機関による指導及び助言を通じ経営革新又は異分野の中小企業と連携して新分野の開拓等を行う中小企業の経営力や資金調達力の強化を支援するため、必要な資金の貸付を行った。(継続)

6.借換保証の推進

信用保証協会が、複数の借入債務を一本化し、足元の返済負担の軽減を図るための借換保証を推進。2019年度(2019年12月末まで)の保証承諾実績は、11万9,222件、約2兆2,376億円となった。また、経営者に事業改善の意欲があるにもかかわらず、返済条件の緩和実施による前向きな金融支援を受けることが困難な中小企業・小規模事業者を支援するため、2016年に条件変更改善型借換保証を創設。2019年度(2019年12月末まで)の保証承諾実績は、191件、約54億円となった。(継続)

7.セーフティネット保証

取引先の倒産、自然災害、取引金融機関の経営合理化等により経営の安定に支障を生じている中小企業・小規模事業者に信用保証協会が通常の保証枠とは別枠での保証を実施した(保証割合80%または100%。保証限度額は無担保8,000万円、最大2億8,000万円。)。2019年度は、令和元年台風第15号(4号)、令和元年台風第19号(4号)等により発動されている。また、セーフティネット保証5号は、引き続き最近3か月間の月平均売上高等が前年同期比で一定割合以上減少等の基準を満たす業種を指定した。2019年度(2019年12月末まで)のセーフティネット保証全体の保証承諾実績は、4,274件、約1,400億円となった。(継続)

8.信用保証協会による経営支援【H31年度当初予算:11.0億円の内数】

信用保証協会の利用者又は利用予定している創業(予定)者、経営改善に取り組む中小企業・小規模事業者に加えて、2017年度より事業承継を予定している場合や生産性向上を目指す中小企業・小規模事業者についても新たに支援の対象として追加。これらの中小企業・小規模事業者に対して、信用保証協会が地域金融機関と連携して、専門家派遣をはじめとした経営支援を実施し、資金繰り支援と一体となった支援を実施した。2019年度(2019年12月末まで)は、約1万5,200回の専門家派遣を実施している。(継続)

9.認定支援機関による経営改善計画策定支援事業

借入金の返済負担等の財務上の問題を抱え、金融支援を伴う本格的な経営改善を必要とする中小企業・小規模事業者等に対して、中小企業等経営強化法に基づく認定支援機関(税理士、公認会計士、地域金融機関等)による経営改善計画策定支援や当該計画に係るフォローアップに要する費用の一部を負担(2/3)した。2019年4月から12月末における相談件数は3,435件、新規受付件数は1,232件となり、制度発足時(2013年3月)から2019年12月末までの実績は、相談件数5万5,223件、新規受付件数は1万8,111件となった。また、資金繰り管理や採算管理などの早期の経営改善計画の策定を必要とする中小企業・小規模事業者に対して、認定支援機関による早期経営改善計画策定支援に係る費用の一部を負担(2/3)した。2019年4月から12月末における相談件数は3,007件、新規受付件数は1,409件となり、制度発足時(2017年5月)から2019年12月末までの実績は、相談件数1万4,734件、新規受付件数1万1,488件となった。(継続)

10.中小企業再生支援協議会【H31年度当初予算:70.1億円の内数】

各都道府県の商工会議所等に設置した中小企業再生支援協議会において、事業の収益性はあるが、債務超過等の財務上の問題を抱えている中小企業・小規模事業者に対し、窓口相談による課題解決に向けたアドバイスや、関係金融機関等との調整も含めた再生計画の策定支援を行った。2019年4月から12月末までの実績は、相談件数1,703件、再生計画の策定完了件数575件となり、制度発足時から2019年12月末までの実績は、相談件数4万3,847件、再生計画の策定完了件数1万4,728件となった。(継続)

11.中小企業再生ファンド

事業再生に取組む中小企業への経営支援や資金供給等を実施するため、中小企業基盤整備機構と地域金融機関、信用保証協会等が一体となって、中小企業の再生を地域内で支援する地域型ファンドや広域的に支援する全国型ファンドの組成・活用を促進する取組みを行った。2019年12月末までに61件のファンドが創設され、ファンドの総額は約1,898億円に上った。また、当該再生ファンドによる投資実績は2019年12月末までに563社、約1,151億円に上った。(継続)

12.「経営者保証に関するガイドライン」の利用促進等

2013年12月5日に公表された「経営者保証に関するガイドライン」の利用促進を図るため、相談窓口設置と、ガイドライン利用希望者への専門家派遣、弁護士・税理士等の支援専門家向けセミナーを、引続き実施した。また、2019年6月に取りまとめた「事業承継時の経営者保証解除に向けた総合的な対策」及び2019年12月24日に公表された「事業承継時に焦点を当てた「経営者保証に関するガイドライン」の特則」について、事業者及び支援機関向けのパンフレットを作成し、周知・普及に取り組んだほか、全国紙への広告掲載を実施した。(継続)

13.金融行政における中小企業・小規模事業者に対する経営支援の強化等

金融機関に対し、担保・保証に過度に依存することなく、取引先企業の事業の内容や成長可能性等を適切に評価(事業性評価)することを通じて、企業に有益なアドバイスとファイナンスを行うよう促した。(継続)

14.沖縄の中小企業金融対策【財政投融資:710億円の内数】

沖縄振興開発金融公庫を活用した沖縄の中小企業対策は、日本政策金融公庫が行う業務・取組について同様に行うとともに、沖縄の特殊事情を踏まえ独自の貸付制度の拡充を実施した。(継続)

第6節 経営改善支援、再生支援の強化

1.(再掲)認定支援機関による経営改善計画策定支援事業

2.経営支援と一体となった高度化融資による設備資金の支援

工場団地・卸団地、ショッピングセンター等の整備、商店街のアーケード・カラー舗装等の整備などを行う中小企業組合等に対して、都道府県と中小企業基盤整備機構が一体となってその設備資金を長期・低利(又は無利子)で貸付けた。貸付けに際しては、事前に事業計画について専門的な立場から診断・助言を行った。(継続)

第7節 小規模事業者の持続的発展支援

1.(再掲)小規模事業者経営改善資金融資事業(マル経融資)【財政投融資】

2.(再掲)小規模事業者経営発達支援資金融資事業【財政投融資】

3.小規模事業者支援法による経営発達支援計画の認定

小規模事業者支援法に基づき商工会・商工会議所が小規模事業者の技術の向上、新たな事業分野の開拓、その他の小規模事業者の経営の発達に資する計画を作成し、経済産業大臣が認定する。第6回認定までに、累計1,630件(1,839単会)の認定を行った。(継続)

4.(再掲)小規模事業者持続的発展支援事業【H30年度補正予算:1,100億円の内数】

第8節 経営安定対策

1.中小企業倒産防止共済制度(経営セーフティ共済制度)【中小企業基盤整備機構交付金の内数】

中小企業倒産防止共済制度は、取引先企業の倒産により売掛金債権の回収が困難となった場合に、積み立てた掛金の額に応じて無利子、無担保、無保証人で共済金の貸付けを行う制度。2019年12月末現在で48.4万社が在籍。(継続)

2.経営安定特別相談事業

経営の危機に直面した中小企業の経営上の様々な問題の解決に資するため、全国の主要な商工会議所及び都道府県商工会連合会に「経営安定特別相談室」が設置されている。本相談室において経営安定に関する幅広い分野の経営相談が円滑に実施されるよう日本商工会議所及び全国商工会連合会の実施する指導事業等を支援した。(継続)

3.中小企業等強靱化対策事業【H30年度補正予算:15億円の内数】

2019年7月に施行された中小企業強靱化法に基づく「事業継続力強化計画」等認定制度やBCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)に基づき、優良事例や早期復旧事例等の周知・普及、及び計画の策定支援、また、防災・減災に係る指導人材の育成を実施し、中小企業の防災・減災意識の啓発、事業継続力の強化に向けた取組を促進した。

4.中小企業・小規模事業者自家用発電設備等利用促進対策事業【R1年度補正予算:58億円の内数】

大規模災害時等に系統電力や都市ガスの供給が途絶した際に、生活必需品の供給やサプライチェーン維持等のために重要な中小企業・小規模事業者の事業の中断を未然に阻止する体制を確保するため、石油製品等を用いる自家発電設備等の設置に要する経費に対して、当該経費の一部を助成する事業に要する経費を補助した。(新規)

5.ダンピング輸入品による被害の救済【H31年度当初予算:1.1億円】

貿易救済措置のうちアンチダンピング措置は、他国企業から我が国に対するダンピング輸入により、国内産業が損害を受けた際に、国内産業からの申請に基づき政府が調査を実施した上で関税を賦課することにより、公正な市場競争環境を確保する措置である。2018年4月に開始した中国産電解二酸化マンガンに対するアンチダンピング課税の再延長調査は、2019年3月に調査を終了し、課税期限の延長を行った。また、2019年9月には、トリス(クロロプロピル)ホスフェートの調査を開始した。なお、企業等への説明会やWTO協定整合的に調査を行うための調査研究を実施した。(継続)

第9節 財政基盤の強化

1.法人税の軽減税率【税制】

中小企業の年間800万円以下の所得金額に対する法人税率を、19%から15%に引き下げる措置。令和元年度税制改正において、適用期限を2年延長することとされた。(継続)

2.中小企業投資促進税制【税制】

機械装置等を取得した場合に、取得価額の30%の特別償却又は7%の税額控除(税額控除は資本金3,000万円超の法人を除く)ができる措置。令和元年度税制改正において、適用期限を2年延長することとされた。(継続)

3.中小企業の少額減価償却資産の損金算入の特例制度

取得価額30万円未満の減価償却資産を取得した場合、年間300万円を限度に、全額損金算入することができる措置(従業員1,000人超の法人を除く)。(継続)

4.欠損金の繰越控除・繰戻還付

欠損金の繰越控除は、当期の事業年度に生じた欠損金を繰り越して翌期以降の事業年度(繰越期間:10年間の所得金額から控除することができる措置。また、欠損金の繰戻還付は、当期の事業年度に生じた欠損金を1年繰戻して法人税の還付を請求することができる措置。(継続)

5.商業・サービス業・農林水産業活性化税制【税制】

商業・サービス業等を営む中小企業が商工会議所等の経営改善指導に基づき設備を取得した場合、取得価額の30%の特別償却又は7%の税額控除(税額控除は資本金3,000万円超の法人を除く)ができる措置。令和元年度税制改正において、適用期限を2年延長することとされた。(継続)

6.交際費等の損金不算入の特例【税制】

交際費等を支出した場合、〔1〕定額控除限度額(800万円)までの損金算入または〔2〕支出した接待飲食費の50%までの損金算入のいずれかを選択適用できる措置。(継続)

7.中小企業投資育成会社による支援

中小企業投資育成株式会社において、中小企業の自己資本の充実を促進し、その健全な成長発展を図るため、株式、新株予約権、新株予約権付社債等の引受けによる投資事業及び経営相談、事業承継支援等の育成事業を実施した。(継続)

第10節 人権啓発の推進

1.人権教育・啓発活動支援事業【H31年度当初予算:1.9億円】

健全な経済活動の振興を促進するため、事業者を対象とした人権啓発のためのセミナー等の啓発事業を実施した。また、小規模事業者等が多く、特に重点的な支援が必要な地域又は業種に係る小規模事業者等の活性化のため、経営等の巡回相談事業及び研修事業を実施した。(継続)

第11節 経営支援体制の強化

1.中小企業連携組織支援対策推進事業【H31年度当初予算:6.7億円】

中小企業組合を支援する専門機関の全国中小企業団体中央会を通じて、経営革新・改善に取り組む中小企業組合等に対して、中央会指導員がサポートしつつ、その実現化に向けた取組を支援した。さらに、外国人技能実習生受入事業を行う中小企業組合(監理団体)等の事業が適正に行われるように支援を行った。(継続)

2.中小企業・小規模事業者ワンストップ総合支援事業【H31年度当初予算:47.8億円、R1年度予備費:2.0億円、R1年度補正予算:10.0億円】

中小企業・小規模事業者等が抱える様々な経営課題に対応するワンストップ相談窓口として、各都道府県に「よろず支援拠点」を設置し、一歩踏み込んだ専門的な助言を行うとともに、特に高度・専門的な経営課題に対応するために専門家派遣を実施した。(継続)

3.ローカルベンチマークの活用促進

中小企業におけるローカルベンチマークの活用促進のため、「サービス等生産性向上IT導入支援事業」や中小企業庁DXと連携し、企業が自社の経営状態を把握するための体制を整備した。また、活用人材育成の観点から、士業団体でローカルベンチマークの活用事例に関するセミナーを実施したほか、活用事例集の取りまとめを行った。「ローカルベンチマーク活用戦略会議」においては、企業や金融機関、支援機関等による活用事例の紹介や、ローカルベンチマークのさらなる普及・促進のための検討を実施した。(継続)