第3部 小規模事業者の防災・減災対策 

第5節 まとめ

以上、第3部では、小規模事業者における、自然災害に対する防災・減災対策などについて概観してきた。

我が国における自然災害の発生リスクは依然高い水準にあり、実際に被災した事業者は様々な損害を被っている。小規模事業者は被災時における事業継続力を高めるためにも、今後、一層の事前対策を講じていくことが必要とされる。

災害対策の入口として考えられるリスク把握の取組については、大半が行っておらず、具体的な災害対策に取り組んでいる事業者も一部にとどまることが分かった。他方で、具体的な対策を実施している事業者においては、地域の支援機関や行政機関など、周囲の関係者の支援を受けている者が存在する。リスク把握の取組も含め、このような支援者の役割は今後も重要になると考えられる。

損害保険は、被災時に重要な役割を果たしており、被災した事業者の資金確保を通じて、事業継続に寄与していることが分かった。他方、補償内容によって受け取れる保険金に大きな差が出る可能性があるため、日頃から自社が抱えるリスクを把握した上で、それに見合った補償内容を選択する必要があるといえよう。

BCPを策定している小規模事業者はごく一部にとどまっており、今後策定する予定の者も少ないことが分かった。他方で、BCPを策定せずとも、自然災害の発生時における自社や他社への影響及び対策などを検討している事業者が一定数存在することも明らかになった。引き続き、自社に見合った取組から行い、事業継続へ向けた体制の整備が徐々に進んでいくことが期待される。

自然災害に対する備えの重要性に関する理解が進むことで、具体的に対策を講じる事業者が増加し、それが被災時のみならず平時を含めた小規模事業者の事業継続力強化につながっていくことを期待して、第3部の結びとしたい。

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