2 まとめ
本節では、小規模事業者におけるBCPの策定状況などについて見てきた。全体の策定率は約2%にとどまっており、一層取組を進めていく余地があることが分かった。策定したきっかけとしては、地域の支援機関や行政機関からの勧めが多く、今後も周囲の働きかけが重要となることがうかがえる。
策定した場合には、自社における重要業務の見直しに資するなどのメリットがあるものの、取り組むハードルが高いといった理由が策定の障壁となっている。また、今後の策定予定を確認すると、被災経験があった事業者においても策定を予定していない者が大半を占めることが分かった。他方で、BCPを策定していなくとも、自然災害の発生による自社や他社への影響及び対策などについて事前に検討している事業者が一定数存在することも明らかになった。
最終的にBCPの策定に至らずとも、小規模事業者が事前対策を行う場合、自然災害のリスクの状況や、取引先・顧客との関係などを踏まえた身の丈に合った形で検討を進めることが望ましい。各々の小規模事業者が、できることから一歩ずつ対策を進めていくことで、被災時に早期復旧を可能とする体制が構築されることに期待したい。