3 ハザードマップの活用状況
自社の地域の自然災害発生リスクを把握するためのツールの一つに、ハザードマップがある。ハザードマップは、国土交通省ハザードマップポータルサイト1や各自治体の発信する情報で見ることができる。
1 詳細は国土交通省ハザードマップポータルサイトを参照。(https://disaportal.gsi.go.jp/)
ハザードマップは、例えば、豪雨発生時の浸水リスクや、地震発生時の土砂災害リスクなどの把握に役立つ。また、自然災害リスクを把握することで、水災を補償する損害保険への加入や、安全な地域への立地変更、従業員の避難計画作成など、事前対策の内容を検討する際にも役立つ。
しかし、小規模事業者におけるハザードマップの活用状況を見ると、自社の地域のハザードマップを見たことのある小規模事業者の割合は4割弱に過ぎず、リスク把握の取組は徹底されていないと考えられる(第3-2-4図)。

また、第3-2-5図は、自然災害に対する備えの取組状況を、自社の地域のハザードマップの確認有無別に見たものである。ハザードマップを見たことがある事業者では、自然災害への備えに取り組んでいる割合が、そうでない者に対して高くなっている。両者の因果関係は明らかではないが、ハザードマップを確認した結果として自然災害への備えに取り組んでいる、若しくは自然災害への備えに取り組む第一歩としてハザードマップによるリスク状況の把握に取り組んでいることが推察される。

コラム3-2-1
ハザードマップの活用方法
国土交通省ハザードマップポータルサイトにおいては、〔1〕「重ねるハザードマップ(防災に役立つ災害リスク情報などを、地図や写真に自由に重ねて表示することが可能)」、〔2〕わがまちハザードマップ(全国の市町村が作成したハザードマップを、地図や災害種別から検索することが可能)、の2種類のハザードマップを公開している。これにより、「浸水リスク」、「土砂災害発生リスク」、「津波浸水リスク」などを確認することが可能となっている(コラム3-2-1図)。
