第3部 中小企業・小規模企業経営者に期待される自己変革

第3節 まとめ

本章では、まず、中小企業を取り巻く外部環境の変化を「人口減少」「デジタル化」「グローバル化」の3つの観点から整理し、「人口減少」という脅威に対して「デジタル化」「グローバル化」は大きな機会になる可能性を示した。

次に、「消費者」「従業員」「社会」の観点から、中小企業を取り巻くステークホルダーの価値観の変化を分析し、ステークホルダーが求める価値を提供していくことが、これからの社会で事業を継続していくために重要であることを述べた。

最後に、以上の社会変化を踏まえ、これからの中小企業に期待される役割を「我が国経済を牽引する役割」「サプライチェーンを支える役割」「地域経済を活性化する役割」「地域の生活・コミュニティを支える役割」の4つの切り口から見てきた。

これからの社会は、これまで以上の速度で変化していくと予想され、その見通しも不透明である。中小企業は、引き続き我が国の経済・社会を支える重要な存在であり続けると考えられる。しかし、デジタル化やグローバル化で、企業規模が小さいことによる有利も不利も解消されつつある中では、中小企業という存在を捉えなおすことも必要であろう。

こうした中でこれからの中小企業に求められるのは、我が国が置かれている現状を踏まえ、自社が社会から求められている役割を改めて明確にするとともに、その役割を果たすために必要な自己変革を積極的に行っていくことであると考えられる。

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