第1部 平成30年度(2018年度)の中小企業の動向

第4節 新たな雇用の担い手

これまで見てきたとおり、規模の小さな企業の雇用環境は規模の大きな企業との差があるが、そのような環境においても採用対象者を工夫することで人手不足に対応している企業も存在する。例えば、これまで社会進出の進んでいなかった女性などの雇用を増やすことが挙げられる(第1-4-23図)。これを見ると、直近10年間で、特に非正規の雇用形態において、女性の雇用者数が増加していることが分かる。

第1-4-23図 雇用形態別に見た、女性の雇用者数の推移
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また、これまで社会進出の進んでいなかった層として、60歳以上のシニアが挙げられる(第1-4-24図)。シニア層においても、女性と同様に非正規雇用での雇用者数が増加しており、ライフスタイルに合わせて柔軟に働いたり、無理の無い程度に働いたりすることで社会進出を進めていることが考えられる。

第1-4-24図 雇用形態別に見た、60歳以上の雇用者数の推移
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第1-4-10図〔1〕で新規大卒予定者について、規模の小さな企業への希望者数が年々減りつつあることを確認したが、非正規というかたちで女性やシニアの労働者数が増えていることを見てきたとおり、採用の方法は新卒の正規雇用に限られない。人手不足への対応策の最後に、常用労働者の中途採用事業所割合の推移を確認する(第1-4-25図)。直近10年間の推移について見ると中小企業の中途採用事業所割合は増加傾向にあり、人手の足りない事業所においては中途採用という形態で人を雇うことも対策の一つとなっている可能性が考えられる。

第1-4-25図 常用労働者の中途採用事業所割合
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