第1部 平成30年度(2018年度)の中小企業の動向 

第4節 まとめ

本章では、多様な中小企業の動態を、CRDデータを利用して財務面から捉えることとした。

第1節では、中小企業の主な財務指標から中央値と平均値を算出するとともに、各経営指標における中小企業の分布状況を把握した。ここでは、平均値が中央値を大きく上回り、中小企業の中でも業績に大きなばらつきがあることを改めて確認した。

第2節では、2007年度から2016年度までの業績の推移を確認した。リーマンショック後、赤字企業の割合は漸減傾向にあるものの、恒常的な赤字体質企業も一定数存在していることが分かった。また、純資産の推移からは、業績を伸長させている企業とそうでない企業の間で二極化が進んでいる可能性についても明らかになった。さらに、債務超過の企業に着目すると、債務超過が大きいほど業績改善が困難であり債務超過が軽微な段階で経営改善に着手することが重要であることを示した。

第3節では、傾向スコアマッチングの手法を用い、設備投資を実施した企業の投資後のパフォーマンスの分析を試みた。結果としては、概ね5年までにROA、売上高、現預金、従業員数について増加することが統計的に有意な水準で確認された。

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