平成27年度地域商業自立促進事業モデル事例集 全国商店街の挑戦
事業の経緯
地域交流の拠点としての機能向上へ
協同組合ポルカは食品スーパーマーケットと20を超える専門店が出店する3階(屋上駐車場)建ての商業施設で、併設の大型量販店「天満屋ストア」とともに高梁市の商業の中心を担っており、組合の設立は平成2年に遡る。県下で唯一大型店がなかった高梁に大型店開発の構想が持ち上がり、危機感を抱いた地元の商店主8人が中心となって行政の高度化事業を活用して発足した。
近年は、周辺に「ヤマダ電機」や「すき家」、ホームセンター「ジュンテンドー」など5店舗のチェーン専門店を誘致し、自ら立地環境の向上を図ることで、同じ業態の郊外型大型店に負けない商業集積地をつくり出している。
平成27年度は今まで以上に地域住民に寄り添うことでコミュニケーションや多世代の連携が生まれる街になるよう、地域交流の拠点としての機能向上を目指した。
事業の展開と成果
新施設とセントラルコートで交流機能の強化へ
施設内の空きスペースなどに、「ポルカプラザ」「市民交流コーナー」「こども教室」「高梁ふるさと市場」の4つを新設。1階に設置した「ポルカプラザ」では行政情報の発信や古紙回収受付のほか、高梁市が拠点の吉備国際大学女子サッカーチーム・シャルム(なでしこリーグ2部)のオフィシャルショップとして応援グッズも販売している。
2階の「市民交流コーナー」は大学の「まちなかゼミ」をはじめ地域各種団体(23団体ほか)の事業や行政の相談会などに活用するスペースで、約60名まで利用可能。市民の作品展などの会場としても活用している。「こども教室」には安全に配慮した遊具などを設置しており、ピアノ教室やよみ・かき・そろばん教室など13教室を開催。母親同士が子育てに関する情報交換を行うなど新たなコミュニティの形成にも寄与している。「高梁ふるさと市場」は1階の「天満屋ストア」の売場を一部借り上げて整備し、地元生産者やJAの協力を得て高梁市内の農産品、農産加工品などの販売を行っている。新鮮な地場産品が購入できると好評で、隣接する食品スーパーマーケットとの相乗効果が売上にも反映されている。また、「セントラルコート」(広場)にはステージと音響設備を新設。地元高校の家政科展や地域の催事等を開催し、賑わいの中心になっている。
今後の事業展開
地元の保育園などと連携したイベントを開催予定
一連の取組は来街者から好評で、整備完了後は歩行者通行量・売上高ともに増加している。組合員が少ないため新事業の実施に当たっては資金面での課題が大きいが、今後も地域に根ざした商業施設として、地元の保育園などと連携した様々なイベントを開催していく予定だ。



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