トップページ 商業サポート 商業活性化 平成27年度地域商業自立促進事業モデル事例集 全国商店街の挑戦 神田市場商業協同組合

平成27年度地域商業自立促進事業モデル事例集 全国商店街の挑戦

事業の経緯

“あたたかみのある交流機会”というニーズ

 神田市場商業協同組合は昭和28年に「神田市場」として開業した。食料品を取り扱う店舗が多かったことから長年地域住民の日常的な買い物の場として親しまれてきたが、平成12年に発生した火事で市場が全焼。
 平成15年に対面式の市場形式から青 果・精肉・鮮魚・惣菜・グロッサリーの各部門を集合レジで対応する商業施設「シャンティかんだ」として生まれ変わった。日本茶、手芸用品、生花の専門店も出店しており、しばらくの間は業績も順調に推移していたが、平成21年頃から競合店の出店が相次ぐと次第に来街者が減っていった。
 来街者への満足度調査などで「シャンティかんだ」には「あたたかみのある交流機会」が求められているという考えに至った商店街は、「『あたたかみ』と『ふれあい』を提供する商業施設」として近隣の競合店との差別化を図ろうと、「地域コミュニティの小さなオアシス」となるコミュニティスポットの設置と対面式販売コーナーの設置に乗り出した。

事業の展開と成果

水茶屋と対面式販売コーナーで交流のきっかけを創出

 江戸時代の水茶屋をイメージして整備したコミュニティスポットはわずか5坪の小さなスペースだが、コの字型に13席を設置し、中央には囲炉裏を置いた。囲炉裏の茶釜では兵庫県の名産「丹波の日干番茶」が常に温められており、利用客は250円を支払って湯飲みを借りればお茶を好きなだけ飲むことができる。同席する利用者同士が互いにお茶を汲み出している姿も見られ、様々な交流のきっかけが生まれている。
 また、集合レジによる一括精算の利便性は残しつつ昔の市場の良さを取り戻そうと、精肉コーナーにスライド窓を設置。対面式販売が来街者からも好評だ。
 さらに高齢者や子どもでもわかりやすいよう「vegetable」などと英語で表示していた案内板を「おやさい」などのひらがな表示に変更。長期にわたる摩耗のため滑りやすく、高齢者の転倒事故が起きていたフロアには耐摩耗性と断熱性が高いセラミックタイルを施工するなど、買い物環境の改善も果たした。

今後の事業展開

コミュニティスポットを利用したミニイベントの開催へ

 コミュニティスポットは1日当たり平均20人が利用しており、特に高齢者がゆっくりと休憩している姿がよく見られるようになった。
 減少し続けていた来街者数にも歯止めがかかったところだが、今後はコミュニティスポットを活用したミニイベントなどを実施することで顧客数を着実に増やし売上アップにつなげていく考えだ。



(お問い合わせ先)

中小企業庁経営支援部商業課
電話:03-3501-1929(直通)