平成27年度地域商業自立促進事業モデル事例集 全国商店街の挑戦
事業の経緯
新旧住民の交流拠点整備に着手
東松戸商店街がある地域はかつて「紙敷」という名称だったが、区画整理を経て平成24年2月に「東松戸」へと変更された。東京都心や千葉県の中心地へのアクセスが良いなどインフラが整っている反面、新しい街のため商店が少なく地域住民がつながる場所も機会もなかった。
このような状況を受け、平成24年6月に区画整理組合・商店・農業生産者の有志が集まり「東松戸紙敷ふれあいの会」を立ち上げた。毎月「東松戸ふれあいフェスタ」を開催するなど新しい街を盛り上げるための活動を行い、平成25年6月には同会のメンバーが中心となって「東松戸商店会」を設立。『ふるさと東松戸』をキャッチフレーズに、東松戸音楽祭の開催や商店街マスコットキャラクターの制作といった活動を行ってきた。
平成27年6月に組織を「東松戸商店会協同組合」として法人化し、事業をより円滑かつ適切に実施していける体制を整えたうえで、新旧住民の交流の拠点となるコミュニティ施設の整備を決定。新たに整備するこの拠点を通して、まちの変化に戸惑う古くからの住民と、地域に不慣れな新しい住民とがつながりを持てるまちづくりを目指した。
事業の展開と成果
防音装置付きのスタジオ設置で音楽を通じた交流を実現
平成27年10月20日に開設したコミュニティ施設には、地域交流の拠点として誰もが気軽に立ち寄れるカフェを設置。「松戸野菜」などの地域資源を活用した創作メニューを販売しており、「焼きネギ」や「大根ステーキ」が特に好評だ。
新たに移り住んできた子育て世代が育児などの情報交換に活用できるスペースとしても利用されている。
また、住民への調査でコミュニティ施設に望む機能として「防音装置」のニーズがあったことから、防音装置付きのスタジオを設置した。
このスタジオにはライブ演奏や楽器練習、カラオケなど、音楽を通じて老若男女が集っている。東松戸音楽祭や年越しカウントダウンライブ、新春の集いなど様々なイベントの場所としても活用されており、地域の賑わいの中心になっている。
今後の事業展開
売上高アップに向けて多角的な経営を検討
コミュニティ施設の利用者数は1日平均50人で、特に親子連れや高齢者によく利用されている。
地元ケーブル局からの取材もありPRも順調で、商店街の歩行者通行量も増加している。
今後のカフェの運営に当たっては多角的な経営を検討しており、売上高アップに向けてさらなる挑戦は続く。



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