トップページ 商業サポート 商業活性化 平成27年度地域商業自立促進事業モデル事例集 全国商店街の挑戦 八幡筋商店街連合会/株式会社まちづくり柏原

平成27年度地域商業自立促進事業モデル事例集 全国商店街の挑戦

事業の経緯

シニア世代にも10代の若者にも需要がある店舗の誘致へ

 丹波市の中心市街地に位置する八幡筋商店街は柏原八幡宮の門前町として栄えた地域だ。古くから地域住民の日常的な買い物の場として利用されてきており、近年は株式会社まちづくり柏原が進めるテナントミックス事業において雑貨店やスイーツ店がUターン・Iターンにより開業し、20~30代の女性など顧客層が広がりつつある。商店街はこのように新しい店舗が開業することは街全体の発展につながると考え、「IターンやUターンの女性・若手起業者が集まる新門前町」というビジョンのもと、平成27年度も空き店舗に新たな店舗を誘致する計画に着手した。
 どのような店舗が地域住民の需要に合致するか、また、新たな顧客層を獲得することができるか。ここで注目したのは丹波市の特徴的な人口構成だった。全国の地方都市と同じく丹波市でもシニア世代の人口割合が大きくなっていたが、一方で、10代の割合も大きかったのである(平成25年度国勢調査)。中心市街地に高校が立地していることもあり商店街周辺では高校生の姿がよく見られたが、住民への調査では「商店街には高校生が気軽に入ることができる店がない」という意見が挙がるなど、顧客としての取り込みには至っていなかった。これらの状況を踏まえ、「シニア世代にも10代の若者にも需要がある」「高校生でも購入することができる」などの誘致すべき店舗の要素を整理。中心市街地内には競合店がなかったことも踏まえ、手作りパンの店の誘致を決定した。

事業の展開と成果

Iターン創業者の出店が実現

 空き店舗所有者との交渉などは商店街が、空き店舗の改修と誘致活動は株式会社まちづくり柏原が担当。出店したのは神戸市からのIターン創業者で30代の若い夫婦だ。神戸市内のパン屋で10年以上修業を積んだ実力者で、丹波市内の養鶏場の卵を使ったクリームパンは特に人気で平日でも13時以降は売り切れることがある。価格は100~200円のものが大半で、最も高い「匠の食パン」でも600円。高齢者や高校生のほか、親子連れやサラリーマンなど幅広い世代が利用している。商店街の新たな核となっており、開業後は商店街全体の売上にもつながっている。

今後の事業展開

魅力ある店舗のさらなる誘致へ

 若い世代の新たな出店を迎え、商店街組織としても特に若い役員が以前より積極的な姿勢を見せるようになったなどの波及効果が生まれている。
 今後も株式会社まちづくり柏原のノウハウを活用することで、地域のニーズに合ったテナントを空き店舗に誘致していき、商店街をより魅力ある場所に変えていく構えだ。



(お問い合わせ先)

中小企業庁経営支援部商業課
電話:03-3501-1929(直通)