トップページ 商業サポート 商業活性化 平成27年度地域商業自立促進事業モデル事例集 全国商店街の挑戦 沼田市中の会商店街振興組合

平成27年度地域商業自立促進事業モデル事例集 全国商店街の挑戦

事業の経緯

高齢化率が高い地域で、生活利便性の向上が急務

 沼田市中の会商店街は市を東西に貫く国道120号沿いにあり、商店街周辺(半径500m)の高齢化率は平成27年4月時点で40%超と市の平均を大きく上回り、中心市街地の空洞化が進む中、高齢者の生活をいかに支えるかが課題となっていた。高齢者への調査結果も「日常的な買い物の利便性向上」のニーズが最も高く、特に総菜店を望む声が多かった。この結果を受け、商店街は、単に総菜店を誘致するのではなく、従来から交流があった宮城県気仙沼の協力者と連携することで、商機能の向上だけでなくコミュニティの強化につなげようとした。

事業の展開と成果

気仙沼や姉妹都市との絆で事業を実現

 気仙沼商工会議所青年部事業がきっかけで、平成6年頃から沼田商工会議所との交流が始まり、沼田市のイベントで気仙沼の事業者が特産品を販売するなど友好な関係が続いており、平成23年の東日本大震災では沼田市から気仙沼へ支援物資を運び込むなどの復興支援を行ってきた。
 このような強い絆で結ばれていたこともあり、平成27年は地域住民のニーズを満たすとともに販路拡大による復興支援につなげていくため、商店街と気仙沼の協力者が連携して事業を開始。商店街事務所を改装し、気仙沼の物産品のほか姉妹都市の物産品や近隣農家の野菜やそれらを加工した惣菜などを販売する店舗を整備した。毎週火曜・土曜に営業を行っており、地元の実業高校の製品販売や生徒の販売実習の場としても活用されている。12月19日のオープニングイベントには約500人、2月3日の節分イベントには約400人、3月5日のひな祭り及び震災復興記念イベントには約600人が来客。実業高校の開発した「えだまメンチ」は特に好評で毎回完売。近隣農家の野菜は新鮮なものが非常に安価で販売されており、飲食店が仕入れに来ることもある。

今後の事業展開

仲間を増やし、つながる場としての商店街へ

 商店街のキャッチフレーズは、「となりの仲間は私のなかま」。人と人のつながりを大切にする姿勢が、今回の気仙沼や姉妹都市などとの連携事業につながった。冬は地場野菜が採れず品数に不安があったが、実業高校など様々な団体の協力を得て問題をカバーした。高校生が直接販売していることで、新たな地域コミュニティの形成に寄与している。来店者数は順調に増え、イベントがない日でも平均して50人程度歩行者通行量が増加した。
 高齢化する地域住民ニーズにどう応えていくか、物を買う場ではなくつながりをつくる場として機能できるか、今後も地域内外問わず仲間を増やし活動の幅を広げていく構えだ。



(お問い合わせ先)

中小企業庁経営支援部商業課
電話:03-3501-1929(直通)