トップページ 商業サポート 商業活性化 平成27年度地域商業自立促進事業モデル事例集 全国商店街の挑戦 秋田パティオ協同組合/社会福祉法人山栄会

平成27年度地域商業自立促進事業モデル事例集 全国商店街の挑戦

事業の経緯

新たな集客の核として保育園を設置

 「サンパティオ大町」の名で親しまれる秋田パティオ協同組合は、JR秋田駅から約1㎞の距離にある。パティオ(中庭)を囲むように6棟の建物が建ち並ぶ個性的な商業施設で、平成9年のオープン当時は、地域活性化の起爆剤として期待されていた。
  周辺の飲食店や金融機関、観光施設などとともに地域の賑わいを支えてきたが、近年は郊外型ショッピングモールに商業の重心が移り、当該地域の地盤沈下が深刻化していた。
  平成26年末には、「サンパティオ大町」の核店舗であった大型スポーツ用品店が閉店。平成27年4月には飲食店が撤退した。
  これ以上の空き店舗化を食い止めるため、新たな核が必要であると考え、秋田県の共働き率が全国10位と高いことに着目。子育て支援策のニーズの高さから、商店街全体のコンセプトを再考した結果、従来の飲食物販を中心にした集客から脱却し、保育園を新たな核とした「寄り添い型商店街」への転換を図ることを決定した。

事業の展開と成果

「商店街の中にある保育園」のメリットを広くPR

 保育園の運営は、不登校の中学生や高校中退者向けの学習環境の整備やデイサービスセンターの運営など様々な事業を通して地域貢献を果たす社会福祉法人山栄会が担当。
 開園前には、商店街と連携したサービスを受けることができるという強みをテレビCMや雑誌広告、新聞折り込みチラシ、ホームページなどを通じて広く広報した。その結果、開園までに20数件の問い合わせがあり、保護者からの要望を受け当初は実施を予定していなかった事前見学にも対応した。
 平成28年4月の開園時には、29名の園児が入所。子育て世代や園児などが来街するようになったことで、新たな消費が生まれているほか、ほかの来街者からも「商店街全体の印象が明るく賑やかになった」と好評だ。

今後の事業展開

保育園を核とした新たな取組を模索

 定員に余裕がある間は、年度途中の入園者受入れも積極的に行っていく考えだ。また、乳幼児の一時預かりや、家族の健康を支える「健康相談デー」、英語教育(4、5歳児向け)などサービスの拡充も検討中。
 また、各種親子イベントや子育て支援セミナー、保護者限定のお得なプレミアムカードの発行など、保育園を核とした商店街の取組も計画しており、新たなテナントの誘致も保育園と連携した形で進めていく。



(お問い合わせ先)

中小企業庁経営支援部商業課
電話:03-3501-1929(直通)