平成27年度地域商業自立促進事業モデル事例集 全国商店街の挑戦
事業の経緯
恒例行事「盆おどり」の規模を拡大しギネス記録に挑戦
道頓堀川の南岸に位置する道頓堀商店街は、江戸時代に歌舞伎などが演じられた芝居小屋を中心に芝居町として発祥し、大阪を代表する街として賑わいの中心を担ってきた。近年は円安の影響やアジア経済の成長により中国や韓国を中心としたアジア人観光客が急増しており、売上の半分以上が外国人観光客によるものという店舗も多い。
商店街は毎年の恒例行事として「盆おどり」を開催し地域の賑わいに寄与してきたが、平成27年は道頓堀川開削400年を迎える記念すべき年であったことから「盆おどり」の規模を大幅に拡大することを決定。来街者へのアンケート調査で判明した「楽しいイベントがたくさんある街」「国際色豊かな街」という期待に応えるため、地元住民のみならず外国人留学生や国内外の観光客も参加できるイベント「道頓堀盆おどりインターナショナル2015」を開催し、盆おどりの人数でギネス記録の樹立を目指したのである。
事業の展開と成果
ギネス記録挑戦をきっかけに、様々な交流が生まれる
「道頓堀盆おどりインターナショナル2015」の開催日時は平成27年8月16日(日)の17時~21時。道頓堀橋から日本橋までの道頓堀川散歩道約500mが会場だ。
それまでのギネス記録は栃木県茂木町で達成された1,932人(平成13年)。5分間浴衣姿の参加者が同じ踊りをすることが条件で、全体の5%以上が振り付けを間違えると失格だ。事前広報や民踊団体などの呼びかけにより約3,000人が参加予定だったが、雨模様の天候だったこともありキャンセルが相次ぎ、1回目の挑戦では1,821人しか集まらなかった。そこで急遽見学者や通行人に飛び入り参加を呼びかけたところ、2回目の挑戦では外国人留学生や観光客など20ヵ国を超える海外からの参加者も含んだ2,025人でのギネス記録更新を達成。飛び入り参加者に踊りを教える人の姿や参加者同士が励まし合う光景が多く見られ、盆おどりを通じた様々な交流が生まれた。
今後の事業展開
住民や観光客を巻き込むことでコミュニティの強化へ
ギネス記録の更新は国内外のメディアに多数取り上げられ、商店街のPRに大きく貢献した。平成28年度も同様に「道頓堀盆おどりインターナショナル」を開催しており、リオのカーニバルのような世界的に有名なダンス・イベントとして認知されるよう毎年恒例の行事としていく予定だ。
また、商店街は、参加者が一丸となってギネス記録に挑戦したことで連帯感やコミュニティの強化にもつながったと感じている。今後も住民や観光客を巻き込む工夫を凝らしながら商店街のPRを継続することでさらなる集客力の向上を目指す。



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