トップページ 商業サポート 商業活性化 平成27年度地域商業自立促進事業モデル事例集 全国商店街の挑戦 湯沢温泉通り事業協同組合

平成27年度地域商業自立促進事業モデル事例集 全国商店街の挑戦

事業の経緯

近年増加する外国人観光客の取り込みが課題

 ノーベル文学賞作家・川端康成の『雪国』の舞台、越後湯沢。湯沢温泉通り商店街は地域住民のほかスキーや温泉を求めて訪れた観光客からも多く利用されている。特に近年は行政や観光協会のプロモーション活動が功を奏し、海外からの来街者が増加していた。ところが平成26年に商店街の各店舗を対象に実施したアンケート調査では「商品やメニューなどの外国語表示をしていない」という回答が全体の約8割で、その大半が今後外国語表示を実施したいと考えてはいるが具体的な計画は持っていない状態だった。早急に外国人観光客の受入れ環境を整える必要があると考えた商店街は、英語表記のマップやメニューなどを整備するとともに、日本の文化や地域資源を用いた取組で外国人観光客向けのおもてなしに着手した。

事業の展開と成果

日本の文化や地域資源を活用したおもてなし

 商店街内にある湯沢町歴史民俗資料館「雪国館」ではこれまでも雪国文化体験教室などを開催してきたが、平成27年度は外国人観光客でも楽しめるよう英語の解説を付けた状態で蓑笠、書道、けん玉、輪投げの体験教室を開催。雪国仕様の耐水性の紙を用いた英語表記の体験教室パンフレットと商店街マップは観光案内所や周辺の宿泊施設などで配布した。当初は冬季に10回程度開催する予定だったが好評を受け「雪国館」の休館日以外は毎日実施する計画へ変更したところ、「雪国館」入館者数は平成27年12月には669人(うち外国人観光客107人)、平成28年1月には689人(うち外国人観光客158人)、2月には1,044人(うち外国人観光客203人)と順調に増加した。
 さらに地域の恒例行事となっていたはしご酒イベントにも外国人観光客が参加できるように案内や紹介を実施した。事前に3枚綴りのチケットを購入しイベント期間中に対象店舗でチケットを出せば1ドリンクと料理1品のイベント限定セットが楽しめるというものだが、平成27年度は海外でも人気が高い日本酒を活用し、南魚沼の酒蔵の酒を飲み比べできる「南魚沼の地酒まつり 湯沢ぶらりはしご酒」として開催した。周辺の温泉宿にも協力してもらいチケット1枚で立ち寄り入浴ができるようにし、地域住民のみならず外国人観光客からも好評を博した。

今後の事業展開

商店主向けの英語教室を開催予定

 商店街では外国人観光客のさらなる取り込みに向け、観光協会と連携して商店主向けに年10回程度の英語教室を開催する計画を進めている。現在、外国人観光客の来街は冬季に集中しているが、年間を通して集客できるよう特に4月~11月の呼び込み策を検討していく方針だ。



(お問い合わせ先)

中小企業庁経営支援部商業課
電話:03-3501-1929(直通)