トップページ 商業サポート 商業活性化 平成27年度地域商業自立促進事業モデル事例集 全国商店街の挑戦 俵山温泉観光協議会/俵山温泉合名会社

平成27年度地域商業自立促進事業モデル事例集 全国商店街の挑戦

事業の経緯

総勢100名の「俵山知恵だし会議」で全体構想を策定

 俵山温泉は標高約150mの山間部に位置する人口約1,100人・高齢化率50%を超える過疎地帯「俵山地区」の商業の中心だ。
 古くは毛利藩ゆかりの湯治場として栄えたが、バブル崩壊後は湯治客の大半だった第一次産業従事者の減少や交通網の発達にともなう日帰り旅行者の増加などから来街者数・売上高ともに下降していった。
 そこで俵山地区は平成25年に地域団体、NPO法人、民間事業者に加え地区内外の個人も含めた総勢100名で「俵山知恵だし会議」を発足し、俵山の将来ビジョン「俵山地区成長への原点 俵山全体構想」を策定した。
 俵山温泉では新たな魅力づくりに向けて調査・分析を行い、「食」「憩い」「地域間交流」「情報発信」の必要性を見いだすと、平成27年に「俵山温泉まちづくり交流施設 湯治テラス」(以下、「湯治テラス」という)の整備に着手した。

事業の展開と成果

地元のジビエを活かしたレストランと癒しのテラス

 「湯治テラス」は、俵山温泉街にある大衆浴場「町の湯」への温泉客の仕掛けづくりとして新たに建設した施設だ。商店街が事業実施に当たっての各関係機関との調整を行い、土地所有者である俵山温泉合名会社が施設の管理を担当し、レストランと憩いのテラスを整備した。
 レストランはテナント運営とし、市内の飲食業者が入店した。メニューには俵山らしさを出すため、地元の猟友会と連携し、ジビエメニューも考案した。また、温泉常連客の消費を促すため、定食もの以外にも比較的安価な日替わりや単品メニューも取り揃えている。
 憩いのテラスは飲食物持ち込み可の無料の休憩スペースとし、植栽・ライトアップなどで癒しの空間を演出した。地域住民の懇親会場として交流の機会を創出しているほか、将来的にはフリーマーケットや朝市などのイベント会場としての活用も検討している。
 また、「町の湯」の情報発信機能を強化し、温泉街内の回遊性を高めようと、案内パネルの設置や温泉街の歴史・温浴効果のPR資料の展示なども実施した。

今後の事業展開

旅館との相乗効果で温泉街全体の売上アップを狙う

 「湯治テラス」は夜11時まで営業しているため、夕食なしの宿泊客や飛び込み客の食事処として泊食分離に対応でき、旅館との相乗効果を生んでいる。
 また、旅館従事者や地域住民にとっても仕事が終わった後、気軽に立ち寄れる場所として利用されており、地域コミュニティの活性化につながっている。



(お問い合わせ先)

中小企業庁経営支援部商業課
電話:03-3501-1929(直通)