トップページ 商業サポート 商業活性化 平成27年度地域商業自立促進事業モデル事例集 全国商店街の挑戦 大阪船場丼池筋連盟/株式会社丼池繊維会館/有限会社大阪繊維共同販売所

平成27年度地域商業自立促進事業モデル事例集 全国商店街の挑戦

事業の経緯

時代の潮流を読み、次の丼池筋の姿を目指して

 大阪市の船場エリアにある丼池筋は、繊維・織物の卸売問屋街として戦後大阪の復興を牽引してきたが、近年の流通改革による卸売業の衰退とともに空き店舗が増え、「シャッター通り」と呼ばれるようになっていた。そんな中、丼池筋には小売に対応する店舗も現れ始め、卸売専門のまちが変化しつつあった。
 商店街では、この潮流を読み再生へと舵を取るべく、平成26年に団体名を「大阪船場丼池卸連盟」から現在の「大阪船場丼池筋連盟」に変更。
 平成27年には、卸売店舗と小売店舗が混在する新たな丼池筋像を創造するため、丼池筋に眠る魅力的なストック「丼池繊維会館」の再生と新規出店者への支援に乗り出した。

事業の展開と成果

近代建築再生とシェアキッチンの整備で新たな来街者獲得

 「丼池繊維会館」は、大正11年に建設された銀行建築である。これを地域のための施設とするため、商店街の有志により設立した株式会社丼池繊維会館が所有者となって地域の資産として利用してきた。
 しかし、老朽化による影響から、バブル時代には全体を当時の新建材で覆い隠すこととなり、タイルとシンプルな装飾の本来の姿は知られざる存在となっていった。商店街は、これまでの時代の痕跡を受け止めつつ、次の時代に受け継いでいける新しい近代建築をつくりあげようと、「丼池繊維会館」の再生工事を実施。2階と3階にはテナントを誘致したところ、3階には世界的に活躍するデザイナーのアトリエが、2階にはデザイン性に富んだ食器や革小物を取り扱う店舗が入居したほか、アートスペースとしても活用されている。
 また、新規出店者への支援施設として、商店街内のOSKビルにシェアキッチンを整備。近年船場エリアで食の文化として定着しているカレーに焦点を当て「大阪カレー会館」として運営しており、レンタルキッチンとして利用する人のほか、チャレンジショップとして週末だけ出店を行う人など、様々な形で活用されており、この二つの場所を起点として今までにない新たな来街者層が生まれている。

今後の事業展開

卸売、小売、アート…価値が重層し、高め合うまちへ

 これからも、今あるものを否定し入れ替えるのではなく、それらを再評価する人材を誘引し、新たな価値を積み重ねていくことで、丼池筋独自の風景を生み出していく方針だ。今回OSKビルにシェアキッチンを整備したように、ファッションのみに囚われず、小さくとも様々な価値が重層することで厚みのあるまちになることを目指していく。



(お問い合わせ先)

中小企業庁経営支援部商業課
電話:03-3501-1929(直通)