トップページ 商業サポート 商業活性化 平成27年度地域商業自立促進事業モデル事例集 全国商店街の挑戦 田名部駅通り商店街振興組合/田名部まちづくり株式会社

平成27年度地域商業自立促進事業モデル事例集 全国商店街の挑戦

事業の経緯

5か年計画の「人にやさしく、地域にやさしい街づくり」

 大型店舗の台頭、公共施設の移転などを受け、来街者や商店街の売上が著しく減少する中、平成5年に振興組合を結成して地域の活性化に努めてきた田名部駅通り商店街。平成23年度には地域商店街活性化法の認定を受け、5か年計画で「人にやさしく、地域にやさしい街づくり」をコンセプトに空き店舗を活用したコミュニティスペース「まちの駅七福」を設置するなどの活性化事業に取り組んできた。
 平成25年には主にハード事業を実施する田名部まちづくり株式会社が設立。商店街はまちづくり会社やNPO法人、市と連携し、官民連携の街づくりを進めている。

事業の展開と成果

地元企業と連携し、ショップ併設型カフェを設置

 平成27年度は、調査の結果判明した「地域発の商品を販売する店」「休憩できる場所」へのニーズに合わせ、地元企業と連携したカフェの設置を決定。田名部まちづくり株式会社が所有する2階建て建物を改築し、1階には市の誘致企業であるアツギ株式会社の製品を販売する「アツギショップ」、2階には和室・畳敷でゆっくりとくつろげるカフェを設置した。半世紀も前から地元に根付くアツギ(むつ工場)は、今や市の貴重な地域資源の一つとなっている。ストッキングやインナー、介護用品などの製品は、高齢の女性来街者が多い商店街のニーズに合致しており、カフェを併設することで買い物客の滞在時間を増やし商店街内での消費を促進する狙いだ。
 建物の外観は、京都の町家造りのイメージを採用。田名部の町には古くから多くの近江商人が出入りし京都の文化が入り込んでおり、市の都市計画マスタープランでも『田名部固有の伝統と、田名部神社に調和した街並み景観づくり』が方針となっていることから決定した。なお、商店街全体の街並みや景観についても、今後は地域の歴史に基づいた和風の外観に統一することを目指している。
 また、ソフト事業として、昨年度から引き続き、コミュニティスペース「まちの駅七福」を活用したイベントを実施。11種類の体験型プログラム(伝統工芸や郷土料理づくり、健康教室など年21回開催)など、幅広い世代が楽しむ姿が見られ、商店街の賑わいにつながっている。

今後の事業展開

情報発信を強化し、商店街をもっと身近な存在に

 商店街の新たなシンボルとなったアツギショップとカフェについては、新聞やテレビから、取扱い商品や外観に関する取材が複数回あり、地域固有の価値を活かした取組として手応えを感じている。今後はSNSなど費用対効果の高い方法で情報発信を強化し、商店街の取組の周知を推し進め、もっと地域に愛される“やさしい街”を目指していく。



(お問い合わせ先)

中小企業庁経営支援部商業課
電話:03-3501-1929(直通)