第2章 小規模事業者のIT利活用による労働生産性の向上
第1章では人手不足対応のために、業務時間を増やして対応する経営者の負担が大きくなっており、そのような状況のもと、自身の業務時間を削減するために間接業務のIT化を志向する経営者が多いことが分かった。
第2章では経営者の間接業務の効率化に向けたIT利活用について分析する。また、IT利活用が、小規模事業者の売上向上、ひいては生産性向上に役立っていることを示していく。
第1節 小規模事業者のIT利活用の現状
本節では、小規模事業者のIT利活用の現状を把握するため、ITツール・サービスの利用状況やITを導入する際の課題について分析する。
1 IT利活用の状況
〔1〕ITツール・サービスの利用状況
第2-2-1図は、業務で利用しているITツールやサービスについて見たものである。業務上で小規模事業者の7割超が「電子メールの利用」、6割超が「オフィスソフトの利用」をしている。「この中に活用しているものはない」としている事業者は1割にとどまる。

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〔2〕ITツール・サービスの利用状況(経営者年齢別)
第2-2-2図は、ITツール・サービスの利用状況について経営者年齢別に見たものである。経営者年齢が若いほど、各種ITツール・サービスを利用している割合が高い。他方で、経営者年齢が高いほど、「この中に活用しているものはない」と回答する割合が高くなる傾向があり、70歳以上の経営者では2割を占めている。

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