平成30年度において講じようとする中小企業施策

平成30年度において講じようとする中小企業施策

第1章 経営力強化・生産性向上に向けた取組

第1節 生産性向上・技術力の強化

1.戦略的基盤技術高度化・連携支援事業 【30年度予算:130.0億円】

中小ものづくり高度化法の計画認定又は地域未来投資促進法の計画承認を受けた中小企業・小規模事業者が大学、公設試等の研究機関等と連携して行う、研究開発等に関する取組を支援する。また、中小企業等経営強化法に基づいて認定された異分野連携新事業分野開拓計画に従って行う中小企業・小規模事業者が、産学官連携して行う新しいサービスモデルの開発等を支援する。(継続)

2.産業技術総合研究所における中堅・中小企業への橋渡しの取組

国立研究開発法人産業技術総合研究所において、地域の中堅・中小企業のニーズ等を把握している公設試験研究機関に産総研のイノベーションコーディネータを配置する等の全国規模の連携体制を構築し、地域企業の有する革新的な技術シーズを事業化につなぐ「橋渡し」機能の強化に取り組み、中堅・中小企業等の研究開発を支援する。(継続)

3.中小企業のものづくり基盤技術の高度化に向けた総合支援

中小ものづくり高度化法に基づき、高度化指針に沿った特定研究開発等計画について認定を行い、計画が認定された中小企業・小規模事業者に対して戦略的基盤技術高度化支援事業や、融資、保証の特例等により総合的な支援を実施する。(継続)

4.生産性革命のための固定資産税の減免措置の創設

生産性向上特別措置法に基づく市町村の導入促進基本計画に適合し、かつ、労働生産性を年平均3%以上向上させるものとして認定を受けた中小事業者等の先端設備等導入計画に記載された一定の機械・装置等であって、生産、販売活動等の用に直接供されるものに係る固定資産税について、課税標準を最初の3年間価格にゼロ以上2分の1以下の範囲内において市町村の条例で定める割合を乗じて得た額とする措置。なお、本措置に合わせ、「ものづくり・商業・サービス補助金」等の予算措置を拡充・重点支援する。(新規)

5.研究開発税制(中小企業技術基盤強化税制) 【税制】

中小企業者等について、試験研究費の総額に応じて税額控除を認める「総額型」に、試験研究費の増加割合に応じた税額控除率(12%~17%)を引き続き適用する(大企業は6%~14%)とともに、試験研究費の増加割合が5%を超える場合には税額控除の上限を10%上乗せする措置を引き続き講じる。さらに、特別試験研究費(大学、国の研究機関、企業等との共同・委託研究等の費用)の総額に係る税額控除制度、試験研究費の額が平均売上金額の10%相当額を超える場合に、その超過額に応じた額を控除できる制度等を引き続き講じる。(継続)

6.中小企業技術革新制度(SBIR制度)に基づく支援

新産業の創出につながる新技術開発のための特定補助金等の指定、支出の目標額、特定補助金等を利用して開発した成果の事業化支援措置等の方針の作成等により、引き続き国の研究開発予算の中小企業・小規模事業者への提供拡大、及び技術開発成果の事業化を図る。さらに、技術開発成果の事業化を促進するため、特定補助金等の採択企業の技術力をPRするデータベースや日本政策金融公庫による低利融資等の事業化支援措置を中小企業・小規模事業者等に周知し、利用促進を図るとともに、特定補助金等への多段階選抜方式の導入拡大を図る。(継続)

7.異分野連携新事業分野開拓

中小企業等経営強化法に基づき、異分野の中小企業が連携し、その経営資源(技術、販路等)を有効に組み合わせて行う新商品・新サービスの開発・販売等の事業計画に対して認定を行い、補助金による支援を行うとともに、融資、保証の特例などにより総合的な支援を実施する。(継続)

8.医工連携事業化推進事業 【30年度予算:30.4億円】

医療機器開発支援ネットワークを推進し、開発初期段階から事業化に至るまでの切れ目ない支援として伴走コンサルを実施する。また、ものづくり中小企業や医療機関等の連携による医療機器開発を促進するため、平成30年度は開発・事業化事業において35件程度の医療機器実用化を支援する。(継続)

9.企業活力強化資金(ものづくり法関連) 【財政投融資】

中小商業者・サービス業者等の経営の近代化及び流通機構の合理化、中小企業者のものづくり基盤技術の高度化の促進並びに下請け中小企業の振興を図るため、日本政策金融公庫が必要な資金の貸付を行う。(継続)

10.ファンド出資事業(起業支援ファンド、中小企業成長支援ファンド)

民間の投資会社が運営する投資ファンドについて、中小企業基盤整備機構が出資(ファンド総額の1/2以内)を行うことで、民間資金の呼び水としてファンドの組成を促進し、創業又は成長初期の段階にあるベンチャー企業(中小企業)や新事業展開等により成長を目指す中小企業への投資機会の拡大を図る。(継続)

11.経営革新支援事業

中小企業等経営強化法に基づき、中小企業が新たな事業活動を行うことで経営の向上を図ることを目的として作成し、承認された経営革新計画に対し、低利の融資制度や信用保証の特例等の支援策を通じ、その事業活動を支援する。(継続)

12.中小企業等経営強化法

中小企業等経営強化法の改正を含む産業競争力強化法等の一部を改正する法律案を第196回通常国会に提出しており、〔1〕親族外・社外承継の増加に対応するため、M&Aなどにより他社の事業を承継して経営力向上を図る中小企業に対して税制措置や許認可の承継などの支援を行う〔2〕経営支援体制の強化のため、経営革新等支援機関の認定制度について更新制を導入して定期的に業務遂行能力を確認することとする〔3〕中小企業のIT導入支援のための支援体制整備などの措置を盛り込んでいる。また中小企業等経営強化法に基づく経営力向上計画を策定し、認定された企業に対し、引き続き固定資産税の軽減措置や日本政策金融公庫の融資制度等税制面や金融面の支援を講じる。(新規)

13.中小企業経営強化税制 【税制】

中小企業等経営強化法の計画の認定を受けた中小企業が経営力向上設備等を取得した場合に、即時償却又は10%の税額控除(資本金3,000万円超の法人の税額控除は7%)ができる措置。(継続)

14.所得拡大促進税制 【税制】

持続的な賃上げや人材投資等に取り組む中小企業等を支援するため、平成30年度税制改正において、給与等支給額を増加させた場合に、その増加額の一定割合の税額控除ができる措置を講じます。具体的には、〔1〕継続雇用者給与等支給額を対前年度比で1.5%以上増加させた場合には、給与等支給総額の対前年度増加額の15%の税額控除、さらに、〔2〕継続雇用者給与等支給額を前年度比で2.5%以上増加させ、かつ、人材投資や生産性向上に取り組む場合には、給与等支給総額の対前年度増加額の25%の税額控除ができることとしている。(継続)

第2節 IT化の促進

1.政府系金融機関の情報化投資融資制度(IT活用促進資金) 【財政投融資】

中小企業の生産性向上に寄与するIT活用を促進するため、日本政策金融公庫による融資を実施し、特に、IT投資と同時に情報セキュリティ対策を講じる者に対する金利引下げ措置を講じる。(継続)

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