第2章 新陳代謝の促進
第1節 創業支援
1.創業・事業承継補助金(創業)【29年度予算:11.0億円の内数】
地域で新需要を創造する新商品・サービスを提供する創業者の創業費用を支援する。また、平成29年度は事業実施期間中に一人以上の雇用を要件化する。補助上限は200万円(※外部資金調達の確約がない場合は100万円。)、補助率は1/2とする。(新規)
2.創業支援事業者補助金【29年度予算:11.0億円の内数】
産業競争力強化法における特定創業支援事業を行う創業支援事業者が、認定創業支援事業計画に基づき行う創業支援(兼業・副業を通じた創業ニーズにも対応)や創業支援の質の向上を図る取組等を支援する。(新規)
3.新創業融資制度【財政投融資】
新たに事業を開始する者や事業を開始して間もない者に対し、無担保・無保証人で日本公庫が融資を行う制度。(継続)
4.女性、若者/シニア起業家支援資金【財政投融資】
女性や35歳未満の若者、55歳以上の高齢者のうち、開業して概ね7年以内の者を対象に日本公庫が優遇金利を適用し、多様な事業者による新規事業の創出を支援する。(継続)
5.再挑戦支援資金(再チャレンジ支援融資)【財政投融資】
日本公庫が、事業に失敗した起業家の経営者としての資質や事業の見込み等を評価することにより、再起を図る上で、困難な状況に直面している者に対して融資を実施する。(継続)
6.創業者向け保証
民間金融機関による創業者への融資を後押しするため、信用保証協会において、これから創業する者又は創業後5年未満の者等を対象とする保証制度を実施する。(継続)
7.起業・創業時に必要となるリスクマネーの供給強化
産業革新機構、日本政策投資銀行及び商工中金の活用等により、起業・創業時及び事業化に必要となるリスクマネーの供給を引き続き促進していく。(継続)
8.ファンド出資事業(起業支援ファンド、中小企業成長支援ファンド)
民間の投資会社が運営する投資ファンドについて、中小機構が出資(ファンド総額の1/2以内)を行うことで、民間資金の呼び水としてファンドの組成を促進し、創業又は成長初期の段階にあるベンチャー企業(中小企業)や新事業展開等により成長を目指す中小企業への投資機会の拡大を図る。(継続)
9.グローバル・ベンチャー・エコシステム連携強化事業【29年度予算:3.5億円】
新事業創造の担い手である起業家・ベンチャー企業や大企業、ベンチャー支援人材(VC等)等からなる「ベンチャー創造協議会」の活動を通じて、事業連携の促進やネットワーク形成等を図り、国内のスタートアップ・コミュニティを活性化する。また、「シリコンバレーと日本の架け橋プロジェクト」として、起業家や中堅・中小企業等のシリコンバレーへの派遣や日米交流イベントの開催等によってシリコンバレーとのネットワーク形成を進める。(継続)
10.潜在的創業者掘り起こし事業【29年度予算:11.0億円の内数】
国で定めた一定水準のカリキュラムを実施する創業スクールを認定し、創業者の基礎的な知識習得を支援する。加えて、潜在的創業者の掘り起こし等に繋げるとともに、将来の地域の創業者を日本全国で増やす観点から、全国的なビジネスプランコンテストを開催する。(新規)
11.エンジェル税制【税制】
創業後間もないベンチャー企業への個人投資家(エンジェル)による資金供給を促進するため、引き続き、本税制の普及啓発を実施し、起業促進に向けた環境整備を図る。(継続)
12.企業のベンチャー投資促進税制【税制】
企業が、産業競争力強化法に基づき経済産業大臣の認定を受けたベンチャーファンド(投資額の5割以上を地方に所在するベンチャー企業へ投資する場合に限る。)を通じてベンチャー企業に出資した場合に、その出資額の5割を限度として損失準備金を積み立て、損金算入することができる制度である(平成29年度税制改正において、準備金積立率やファンド要件を見直し)。
本制度が有効活用され、我が国から多くの魅力的なベンチャー企業が生まれるよう、引き続き周知普及を徹底する。(継続)
13.経営革新支援事業
中小企業等経営強化法に基づき、中小企業が新たな事業活動を行うことで経営の向上を図ることを目的として作成し、承認された経営革新計画に対し、低利の融資制度や信用保証の特例等の支援策を通じ、その事業活動を支援する。(継続)
14.地域における創業支援体制の構築
中小企業の海外販路開拓の実現を図るため、複数の中小企業が協働し、自らが持つ素材や技術等の強み・弱みを踏まえた戦略の策定や、当該戦略に基づいて行う商品の開発や海外見本市への出展等の取組を支援する。(継続)
15.中小企業・小規模事業者経営力強化融資【29年度予算:16億円】
認定支援機関の支援を前提とした、日本公庫による創業または事業拡大・新分野開拓等を行う中小企業・小規模事業者に対する低利融資(女性・若者・シニア創業者は基準金利-0.4%)等を整備することで、経営力の強化を図る。(継続)
16.ローカル10,000プロジェクト(地域経済循環創造事業交付金)【29年度予算:18.7億円の内数】
産学金官の連携により、地域の資源と資金(地域金融機関の融資)を活用して、雇用吸収力の大きい地域密着型企業の立ち上げを支援するため、民間事業者等が事業化段階で必要となる経費について、地方公共団体が助成を行う場合、その助成に要する経費の一部を交付する。(継続)
17.女性起業家等支援ネットワーク構築事業【29年度予算:1.9億円の内数】
女性の起業を支援するため、平成28年度に全国10箇所に形成した地域の金融機関や産業・創業支援機関等を中心とした女性起業家等支援ネットワークを通じて、支援機関の成功事例の発信強化、潜在起業希望者等に向けた起業の普及に関するイベントを引き続き開催し、女性の多種多様なニーズに応える支援環境を整備する。また、女性起業家支援を効果的に行うことのできる人材の育成強化を図るため、ネットワーク構成機関への研修を実施する。(継続)
18.生涯現役起業支援助成金【29年度予算:3.5億円】
中高年齢者の雇用機会の創出を図り、生涯現役社会の実現を推進するため、中高年齢者が起業を行う際に必要となる、募集・採用や教育訓練にかかる経費の一部を助成する。(継続)
第2節 事業承継支援
1.小規模企業共済制度
小規模企業の経営者に退職金を支給する小規模企業共済制度について、引き続き、制度への加入促進と共済金等の支給を着実に実施する。(継続)
2.事業引継ぎ支援事業【29年度予算:61.1億円の内数】
後継者不在等の問題を抱える中小企業・小規模事業者に対し、各都道府県の各認定支援機関に設置されている「事業引継ぎ支援センター」において、事業引継ぎ等に関する情報提供・助言等を行うとともに、M&A等によるマッチング支援を実施する。
平成29年度は、「事業承継ネットワーク(下記参照)」や中小企業支援機関との連携を強化し、事業者に対して早期かつ計画的な事業承継を促進するとともに、より小規模なM&A等によるマッチング支援体制を強化する。(継続)
3.非上場株式等に係る相続税・贈与税の納税猶予・免除制度(事業承継税制)【税制】
(1)第5次地方分権一括法に基づき、これまで各地の経済産業局で行っていた事業承継税制の認定等を都道府県が行うこととし、申請・認定等の窓口がより身近な都道府県庁となる。(継続)
(2)以下のとおり、事業承継税制の拡充を講ずる。(継続)
○雇用要件の見直し
従業員5人未満の事業者について実質的に雇用要件の緩和を図る(4人→3人、3人→2人、2人→1人が認められる)とともに、災害や経営環境の激変時における雇用維持の困難化に対応するため、セーフティネット(雇用要件の弾力化)を措置する。
○生前贈与の促進
相続時精算課税との併用を認めることで、贈与税の納税猶予取消時の納税額を、相続税と同額とするとともに、成長を阻害する先代死亡時の切替要件も一部廃止する(中小企業要件・非上場要件)。
※以上の他、手続きの簡素化によりさらなる利便性の向上を図る。
4.経営承継円滑化法による総合的支援
経営承継円滑化法には遺留分の制約を解決するための民法の特例をはじめとした総合的支援が盛り込まれており、民法特例の適用の基礎となる経済産業大臣の確認を実施する。(継続)
5.事業承継円滑化支援事業【中小機構交付金の内数】
全国各地で中小企業の事業承継を広範かつ高度にサポートするため、中小企業支援者向けの研修や事業承継フォーラム等による中小企業経営者等への普及啓発を実施する。(継続)
6.事業承継ネットワーク構築事業【29年度予算:11.0億円の内数】
各都道府県に拠点を置く支援機関等による、地方自治体等と連携した、地域における「事業承継支援ネットワーク」を構築する。このネットワークにといて、〔1〕都道府県における事業承継支援体制の整備、〔2〕早期・計画的な事業承継を促進するための「事業承継診断」の実施、〔3〕事業承継支援に関する連携体制の構築を行う。(新規)
7.創業・事業承継補助金(事業承継)【29年度予算:11.0億円の内数】
事業承継(事業再生を伴うものを含む)を契機として、〔1〕経営革新等に取り組む中小企業、〔2〕事業転換に挑戦する中小企業に対し、設備投資・販路拡大・既存事業の廃業等に必要な経費を支援する。補助上限は〔1〕が200万円、〔2〕が500万円、補助率は2/3とする。(新規)
第3節 資金繰り支援、事業再生支援
1.セーフティネット貸付【財政投融資】
セーフティネット貸付のうち経営環境変化対応資金は、社会的、経済的環境の変化の影響等により、一時的に売上高や利益が減少している等の影響を受けている中小企業・小規模事業者に対して、7億2,000万円(日本公庫(中小企業事業)、商工中金)、4,800万円(日本公庫(国民生活事業))の範囲内で融資を実施するものである。平成29年度は、中小企業・小規模事業者の資金繰りを支援するため厳しい業況にある中で認定支援機関等の経営支援を受ける場合や雇用の維持・増加の取組みを行う場合に金利の優遇措置を行う。(継続)
2.小規模事業者経営改善資金融資事業(マル経融資)【29年度予算:42.5億円の内数】【財政投融資】
小規模事業者を金融面から支援するため、商工会、商工会議所、都道府県商工会連合会の経営指導を受けている小規模事業者に対して、日本公庫が無担保・無保証・低利で融資を行う。(継続)
3.小規模事業者経営発達支援融資事業【29年度予算:42.5億円の内数】【財政投融資】
事業の持続的発展に取り組む小規模事業者を支援するため、経営発達支援計画の認定を受けた商工会・商工会議所による経営指導を受ける小規模事業者に対し、日本公庫が低利で融資を行う。(継続)
4.資本性劣後ローンの推進【29年度予算:161.3億円の内数】【財政投融資】
資本性劣後ローンとは、中小企業・小規模事業者に対して、リスクの高い長期・一括償還の資金(資本性資金)を供給し、財務基盤を強化することで、民間からの協調融資を呼び込み、中小企業・小規模事業者の資金繰りを安定化する日本公庫の融資制度である。平成29年度も引き続き実施していく。(継続)
(注)期限一括償還型の貸付であって、融資を受けた中小企業・小規模事業者が法的倒産となった場合に貸付金の償還順位を他の債権に劣後させる制度。毎期の決算の成功度合いに応じて金利を変更する等の制度設計とすることにより、当該劣後ローンは、金融検査上自己資本とみなすことが可能となっている。(継続)
5.(再掲)中小企業・小規模事業者経営力強化融資保証【29年度予算:17.0億円】【財政投融資】
認定支援機関の支援を前提とした、日本公庫による創業または事業拡大・新分野開拓等を行う中小企業・小規模事業者に対する低利融資(女性・若者・シニア創業者は基準金利-0.4%)等を整備することで、経営力の強化を図る。(継続)
6.借換保証の推進
信用保証協会が、複数の借入債務を一本化し、足下の返済負担の軽減を図るため、平成29年度も借換保証を引き続き実施する。(継続)
7.セーフティネット保証
取引先の倒産、自然災害、取引金融機関の経営合理化等により経営の安定に支障を生じている中小企業者等に信用保証協会が一般の保証枠とは別枠での保証を実施するものである(原則100%保証。保証限度額は無担保8,000万円、最大2億8,000万円。)。(継続)
8.信用保証協会による経営支援事業【29年度予算:13.0億円】
信用保証協会の利用者又は利用予定している創業(予定)者、経営改善等に取り組む中小企業・小規模事業者に対して信用保証協会が地域金融機関と連携して、専門家派遣をはじめとした経営支援を実施し、資金繰り支援と一体となった支援を実施する。(継続)
9.認定支援機関による経営改善計画策定支援事業
自らでは経営改善計画の策定ができない中小企業・小規模事業者の経営改善を促進するため、中小企業等経営強化法に基づく認定支援機関(税理士・弁護士・地域金融機関等)が中小企業・小規模事業者等に対して行う経営改善計画の策定支援やフォローアップに要する費用の一部(2/3)を補助する。平成29年度からは資金繰実績表等の早期の経営改善計画を策定を支援する取組を行う。(継続)
10.中小企業再生支援協議会【29年度予算61.1億円の内数】
各都道府県の商工会議所に設置した中小企業再生支援協議会において、収益性のある事業を有しているが、財務上の問題も抱えている中小企業・小規模事業者等に対し、窓口相談による課題解決に向けたアドバイスや、関係金融機関等との調整も含めた再生計画の策定支援を行う。(継続)
11.中小企業承継事業再生計画(第二会社方式)
産業競争力強化法に基づき、中小企業承継事業再生計画の認定を行い、その計画に従った事業の承継を行う場合に、許認可承継の特例措置及び金融支援を実施する。(継続)
12.中小企業再生ファンド
再生に取り組む中小企業の再生計画上、資金繰り支援、経営支援や必要な資金供給等を実施するため、中小機構と地域金融機関、信用保証協会等が一体となって、地域内の中小企業の再生を支援する地域型ファンドや広域的に中小企業の再生を支援する全国型ファンドの組成の促進・活用に取り組む。(継続)
13.「経営者保証に関するガイドライン」の利用促進等【29年度予算:1.0億円】
平成25年12月5日に公表された「経営者保証に関するガイドライン」の利用促進を図るため、平成25年度に中小機構地域本部等に設置した相談窓口と、ガイドラインの利用をご希望の方への専門家派遣窓口について、引き続き実施する。また、公的金融機関における経営者保証によらない融資・保証制度についても、引き続き実施する。また、融資慣行として浸透・定着を図る観点から、広く実践されることが望ましい取組事例を継続的に収集し、引き続き公表する。また、中小企業・小規模事業者等を主な対象としてガイドラインの周知を図るための広報も引き続き実施する。(継続)
14.金融行政における小規模事業者に対する経営支援の強化等
金融行政方針に基づき、金融機関に対し、担保・保証に過度に依存することなく、取引先企業の事業の内容や成長可能性等を適切に評価(事業性評価)することを通じて、企業に有益なアドバイスとファイナンスを行うよう促す。(継続)
15.低保険料率の農林水産業関係法人向け貿易保険の新設
保険料率が低く、中小企業が利用しやすい「中小企業輸出代金保険」の対象を農林水産業関係法人等に拡大した新保険の活用促進を図る。(継続)
16.沖縄の中小企業金融対策【財政投融資】
沖縄振興開発金融公庫を活用した沖縄の中小企業対策は、日本公庫が行う業務・取組について、同様に行うとともに、沖縄の特殊事情を踏まえ独自の貸付制度の拡充を実施する。(継続)
第4節 人材・雇用対策
1.地域中小企業人材確保支援等事業【29年度予算:16.7億円の内数】
経営資源の乏しい中小企業・小規模事業者の人材の確保を支援することを目的に、地域特性に合わせ、各地の中小企業・小規模事業者が必要とする人材を地域内外から発掘し、紹介、定着を支援する。(継続)
2.中小サービス業中核人材の育成支援事業【29年度予算:16.7億円の内数】
次期経営者を育成するため、サービス産業の次世代の経営人材等と、優れた取組を行う企業等をマッチングし、実地研修を組成する。
平成29年度からは特に、期間や研修内容に柔軟性を持たせることで、より多くの実地研修を組成するよう努める。(継続)
3.スマートものづくり応援隊等事業・ものづくり中核人材育成事業【29年度予算:16.7億円の内数】
スマートものづくり応援隊等事業では、製造業の中小企業・小規模事業者の生産性向上や新規事業開拓を促進を行う。製造現場の経験が豊富な人材や、IoTやロボットに知見を有する人材等が指導者としての汎用的なスキルを身につけるための研修を実施し、育成した指導者を製造業等の中小企業・小規模事業者の現場に派遣する事業者を支援する。地域の製造業の中小企業・小規模事業者がIoTやロボットを用いたカイゼン等について気軽に相談できるスマートものづくり応援隊拠点の整備を行う。
ものづくり中核人材育成事業では、ものづくり中小企業・小規模事業者の現場で働く中核的人材が、技術・技能の向上等に関する講習の受講に必要な費用を補助を行う。(継続)
4.「カイゼン指導者育成事業(サービス業スクール)」【29年度予算:16.7億円の内数】
人材育成によるサービス産業の生産性向上のため、サービス業従事者が現場で活用できるスキルや知識等を学べる研修を実施する。平成29年度は、補助率を2/3から1/2へ変更し、東京・大阪以外の拠点も設けることでより多くの研修機会を提供する。(継続)
5.小規模事業者支援人材育成事業【29年度予算:2.0億円】
商工会・商工会議所の経営指導員等が行う、経営指導の能力向上に向けた研修を全国各地で実施する。(継続)
6.中小企業等支援人材育成事業【29年度予算:1.15億円】
開業・経営に必要なスキルや空き店舗対策、合計形成の手法等のまちづくり特有のスキルの習得を図る座学研修及びインターシップ型実地研修を実施することで、まちづくりを牽引するリーダー等を育成する。(継続)
7.中小企業大学校における人材育成事業
全国9か所にある中小企業大学校において、中小企業支援人材の能力向上のための研修を実施するとともに、中小企業の経営者、管理者等を対象に経営課題の解決に直接結びつくような研修を実施する。(継続)
8.ふるさとプロデューサー育成支援事業【29年度予算:13.5億円の内数】
地域の関係者を巻き込み、地域資源を活かした魅力ある産品を「地域ブランド化」し、販路開拓及び地域への呼び込みを行う取組の中心的担い手となることができる人材育成の取組を支援する。(継続)
9.労働者の雇用維持対策【29年度予算:79.5億円】
景気の変動等に伴う経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、休業、教育訓練又は出向により、労働者の雇用の維持を図った場合に、雇用調整助成金を支給する。また、本助成金については不正受給防止対策にも積極的に取り組んでおり、不正受給を行った事業主名等の公表、実地調査の実施等、本助成金のより一層の適正な支給に努める。(継続)
10.魅力ある雇用創出に向けた雇用管理の改善の支援【29年度予算:108.0億円】
職場定着支援助成金において、企業の雇用管理改善の取組を支援し、魅力ある雇用創出を図るため、中小労確法に基づき各都道府県知事に改善計画の認定を受けた中小企業団体(事業協同組合等)が労働環境向上事業を行った場合に助成を行う。また、中小企業・小規模事業者等が就業規則・労働協約等を変更し、雇用管理制度を新たに導入した場合及び従業員の離職率を低下させた場合に助成を行う。また、保育事業主及び介護事業主が、賃金制度の整備を通じて従業員の離職率を低下させた場合にも助成する。
なお、29年度においては、介護福祉機器を導入した場合の助成を、介護福祉機器を導入した場合の助成及び従業員の離職率を低下させた場合の助成とする。(継続)
11.人材不足分野における人材確保のための雇用管理改善促進事業【29年度予算:5.4億円】
人材不足分野の事業を営む事業主が、人材確保のために従業員の処遇や職場環境の改善などの雇用管理改善を行う場合に、雇用管理制度の導入支援等を実施し、「魅力ある職場づくり」を支援する。(継続)
〔1〕モデル調査コース
事業主が取り組むべき雇用管理の内容が明確となっていない分野を対象として、雇用管理上の課題を抱える事業主に対し、その課題の解消に資する様々な雇用管理制度をモデル的に導入・運用するためのきめ細かなコンサルティングを実施する。このコンサルティングの過程で得られたモデル取組事例について、その導入効果やノウハウ等の検証・分析を行い、分野ごとの特性を踏まえた効果的な雇用管理改善方策を整理し、これを普及・啓発する。
〔2〕啓発実践コース
人材不足分野のうち、建設分野について、雇用管理改善の実践段階に課題を抱える事業主に対し雇用管理改善等アドバイザーによる相談支援を行い、業界ぐるみでの雇用管理改善の実践を促進する。
12.地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)【29年度予算:33.9億円】
地域における雇用の創出及び安定を図るため、雇用機会の不足している地域等において事業所の設置又は整備を行い、併せて地域求職者等を雇い入れる事業主に対して、設置等の費用及び雇入れ人数に応じて助成を行う地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)を支給する。(継続)
13.地域活性化雇用創造プロジェクト【29年度予算:51.2億円】
地域における正社員雇用機会の創造に向けた取組を推進するため、都道府県が産業政策と一体的に実施する正社員雇用創造プロジェクトを支援する地域活性化雇用創造プロジェクトを実施する。(新規)
14.雇用促進税制【税制】
雇用促進税制については、平成28年4月1日から平成30年3月31日までの期間内に始まる各事業年度において、一定の要件を満たした法人で、雇用機会が不足している地域(地域雇用開発促進法に基づく同意雇用開発促進地域)において、質の高い雇用(無期雇用かつフルタイム)を創出させた場合、その増加雇用者一人当たり40万円の税額控除を行うことができる施策を引き続き実施する。(継続)
15.失業なき労働移動の促進【29年度予算:96.7億円】
事業規模の縮小等に伴い離職を余儀なくされる労働者等(再就職援助計画対象者等)に対して、その再就職を実現するための支援を民間職業紹介事業者に委託等して行う事業主に対して助成を行う。
また、成長企業が、再就職援助計画対象者や移籍により受け入れた労働者に対して行う能力開発や賃金アップした場合の助成を拡充するとともに、中途採用者の能力評価、賃金、処遇の制度を整備した上で、中途採用者の採用を拡大させた成長企業への助成を創設する。(継続)
16.福祉人材確保重点プロジェクト【29年度予算:16.3億円】
「福祉人材コーナー」の拡充等を行い、福祉(介護・医療・保育)分野におけるマッチング支援の強化を図る。(継続)
17.若者応援宣言事業の促進
若者の採用・育成に積極的で、企業情報当を積極的に公表する中小企業については、「若者応援宣言企業」として情報発信の後押しを行う。(継続)
18.若者雇用促進法に基づくユースエール認定制度
若者の雇用管理が優良な中小企業について、「青少年の雇用の促進等に関する法律」(昭和45年法律第98号)に基づき、厚生労働大臣が「ユースエール認定」企業として認定し、中小企業の情報発信を後押しすることにより、当該企業が求める人材の円滑な採用を支援する。(継続)
19.特定求職者雇用開発助成金(長期不安定雇用者雇用開発コース)【29年度予算:5.3億円】
いわゆる就職氷河期に正社員就職の機会を逃したこと等によりフリーター等として離転職を繰り返してきた者(長期不安定雇用者)を安定所等の紹介により正規雇用労働者として雇い入れた事業主に対して「特定求職者雇用開発助成金(長期不安定雇用者雇用開発コース)」を支給する。(継続)
20.特定求職者雇用開発助成金(三年以内既卒者等採用定着コース)【29年度予算:18.3億円】
既卒者や中退者の新規学卒枠での応募機会の拡大及び定着・促進を図るため、既卒者等が応募可能な新卒求人の申込みまたは募集を行い、初めて既卒者等を新卒扱いで採用し、一定期間定着させた事業主に対して「特定求職者雇用開発助成金(三年以内既卒者等採用定着コース)※」を支給する。(継続)
※三年以内既卒者等採用定着奨励金について、平成29年度より特定求職者雇用開発助成金のコースとして位置づけた。
21.最低賃金引上げに向けた中小企業・小規模事業者支援【29年度予算:12億円】
最低賃金の引上げに向けた中小企業・小規模事業者の生産性向上等のための支援として、
〔1〕経営改善と労働条件管理の相談等にワンストップで対応するため、「最低賃金総合相談支援センター」を全国(47カ所)に設置し、無料の相談対応・専門家派遣を実施する。
〔2〕全国規模及び都道府県規模の業種別中小企業団体を対象として、賃金の引上げに向けた販路拡大等のための市場調査や新たなビジネスモデル開発等、生産性向上のための取組に要した経費を助成する。
〔3〕全国47都道府県の中小企業・小規模事業者を対象として、生産性向上のための設備投資等を行い、事業場内の時間給1000円未満の労働者の賃金を一定額以上引き上げた場合に、その設備投資などに要した費用の一部を助成(助成率7/10、企業規模30人以下の小規模事業者は3/4)する。(継続)
22.キャリアコンサルティングの普及促進
民間職業紹介・就職支援機関や企業の人事管理・人材育成部門、学校におけるキャリア教育などにおいて、キャリアコンサルティング(労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力の開発及び向上に関する相談に応じ、助言及び指導を行うこと。)の活用について普及促進を進める。平成28年4月には、キャリアコンサルティングを行う専門家として「キャリアコンサルタント」を国家資格化したことから、当該資格の周知を進める。また、企業等に対しては、労働者のキャリア形成における「気づき」を支援するため、年齢、就業年数、役職等の節目において定期的にキャリアコンサルティングを受ける機会を設定する仕組みである「セルフ・キャリアドック」の導入を引き続き推進する。(継続)
23.所得拡大促進税制【税制】
〔1〕給与等支給額の総額が平成24年度から一定割合以上増加、〔2〕給与等支給額の総額が前事業年度以上、〔3〕平均給与等支給額が前事業年度を上回るという3要件を満たす場合に、給与等支給額の平成24年度からの増加額の10%を税額控除する(法人税額の10%(中小は20%)が上限)。また平成29年度税制改正において、中小企業者等については、平均給与等支給額が前年度比2%以上増加する場合に、給与等支給額の前年度からの増加額について、税額控除を12%上乗せすることとする。(新規)