3 その他の女性の就業環境について
第2-1-31図は、全事業者における正社員の男女構成を従業者規模別に示したものである。これを見ると、従業者規模の小さな事業者ほど女性の割合が高くなっていることが分かる。
第2部 小規模事業者の未来
|
3 その他の女性の就業環境について
第2-1-31図は、全事業者における正社員の男女構成を従業者規模別に示したものである。これを見ると、従業者規模の小さな事業者ほど女性の割合が高くなっていることが分かる。
次に、第2-1-32図は、女性正社員の婚姻率について従業者規模別に示したものである。これを見ると、女性正社員の婚姻率は従業者規模が小さいほど、婚姻率が高い傾向にあることが分かる。小規模事業者は、女性の既婚者にとって働きやすい環境を提供していることがうかがわれる。
また、第2-1-33図は、女性正社員の転職希望の理由について従業者規模別に示したものである。
これを見ると、従業者規模が1~4人の事業者の場合、女性正社員が転職を希望する理由は、「事業不振や先行き不安」が26.8%で最も高く、次いで「収入が少ない」が約25.8%となっており、この2つの理由で52.6%と5割を超えている。
その一方、「時間的・肉体的な負担が大きい」は16.6%であり、他の従業者規模の事業者に比べて著しく低い。女性にとっての小規模事業者の就業環境は比較的優しいものである反面、収入面の不満や事業の先行きに不安を感じているケースも多いことがうかがえる。
次に、第2-1-34図は、会社などの役員における男女の構成割合について、従業者規模別に示したものである。
これを見ると、いずれの従業者規模についても、総じて女性役員の占める割合は低いものの、相対的には、従業者規模が「1~4人」及び「5人~19人」の事業者において、いずれも25%前後と高くなっており、従業者規模が小さくなるにつれて女性役員の割合が上昇する傾向であることが分かる。
ここまで、小規模事業者における女性の就業環境の視点から、女性活用のための取組に関する制度面の整備水準や、実際の雇用状況等について見てきた。
その結果、女性活用のための取組に関する制度面の整備については中規模事業者に比べて進んでいないものの、実際の雇用状況等を全体的に見ると、様々な面において、小規模事業者が女性にとって働きやすい環境を提供していることが分かった。
第1部第1章第1節の「従業員数過不足DI」で見てきたように、小規模事業者の人手不足感が強まっている中で、小規模事業者としても就業者としての女性の活用を、さらに進めていく視点を持つことが必要であると考えられる。
前の項目に戻る | 次の項目に進む |