2024年版 中小企業白書の概要

 第1部では、能登半島地震の被災地域の状況や、新型コロナウイルス感染症(以下、感染症とする)の影響と対応の分析に加え、中小企業の現状と直面する課題、今後の展望について分析を行った。
 第2部では、環境変化を乗り越え、経営資源を確保して生産性の向上につなげていくための取組や、成長につながり得る投資行動とそのための資金調達、支援機関の役割と体制の強化について分析を行った。

第1部 令和5年度(2023年度)の中小企業の動向

(令和6年能登半島地震の被災地域の状況)

令和6年能登半島地震の被災地域では、被災以前から生産年齢人口の割合が低く、高齢化が進展している。

(これまでの新型コロナウイルス感染症の影響と対応)

事業継続・雇用維持に向けて、企業は政府の支援策を利用し、失業率や倒産件数は比較的低い水準で推移した。その後、足下の倒産件数は増加しつつあるものの、失業率は引き続き低水準で推移している。

(中小企業・小規模事業者の現状)

2023年は、年末にかけて売上げの増加に一服感が見られたものの、中小企業の業況判断DIは高水準で推移している。一方で原材料価格の上昇や人手不足の状況が見られている。

(中小企業・小規模事業者が直面する課題と今後の展望)

売上高が感染症による落ち込みから回復する一方で、企業の人手不足が深刻化。今後、就業者数の増加が見込めない中で、日本の国際競争力を維持するためには、中小企業の生産性の引上げが必要となっている。生産性の向上のためには、省力化投資や単価の引上げを追求する必要がある。

第2部 環境変化に対応する中小企業

足下では、約9割の中小企業が投資行動に意欲的な経営方針を示している。企業の成長には、人への投資、設備投資、M&A、研究開発投資といった投資行動が有効。また、成長投資のための資金調達や、支援機関が果たす役割は重要であり、支援体制の強化も必要である。

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