2022年版 中小企業白書の概要
第1部では、新型コロナウイルス感染症の流行や原油・原材料価格の高騰等の外部環境の下で、業況や倒産・資金繰り、雇用環境を始めとする中小企業・小規模事業者の動向について分析を行う。
第2部では、感染症が社会全体や中小企業の活動に与えた影響や、感染症下における事業再構築の取組について分析する。加えて、企業の成長を促す取組としてブランドの構築や人的投資、経営者の経営力を高める取組などについても分析を行う。さらに、中小企業・小規模事業者における共通基盤として、デジタル化や取引適正化、伴走支援に関する分析を行う。
第1部 令和3年度(2021年度)の中小企業の動向
●中小企業・小規模事業者の動向
中小企業・小規模事業者の経営環境は、緩やかな回復傾向にあるものの、引き続き厳しい状況にあり、景況感や売上高は、依然として感染症流行前の水準まで回復していない業種も多いことなどを示す。
第2部 新たな時代へ向けた自己変革力
●中小企業における足下の感染症への対応
感染症が人々の行動や地域経済、企業業績にもたらした影響や、資金繰り等の支援策の実施状況などを示す。また、感染症下における事業再構築の実施状況を確認し、中小企業が足下の事業継続とその後の成長につなげる方法の一つとして、事業再構築が重要であることなどを示す。
●企業の成長を促す経営力と組織
中小企業の成長を促すための取組として、無形資産投資に着目。ブランドの構築については、ブランドコンセプトを明確化することの重要性などを示す。また、人的投資については、従業員の能力開発に取り組むことの重要性などを示す。その他、海外展開や脱炭素化、スタートアップに関する現状などを示す。
●共通基盤としての取引適正化とデジタル化、経営力再構築伴走支援
中小企業・小規模事業者の事業継続、成長を支えるインフラ(共通基盤)として、取引適正化やデジタル化、伴走支援に着目。取引適正化については、コスト変動に対する価格転嫁の状況や販売先との交渉機会を設けることの重要性などを示す。デジタル化については、感染症下における進展状況やデジタル化の進展に応じて効果がより実感できることなどを示す。伴走支援については、中小企業の「自己変革力」を高めるために、的確な課題設定を行う上で、支援機関との対話による伴走支援を受けることが有効であることを事例などを用いて示す。