トップページ 白書・統計情報 小規模企業白書 2021年版 小規模企業白書(HTML版) 令和3年度において講じようとする小規模企業施策 第1章 新型コロナウイルス感染症対策

第1章 新型コロナウイルス感染症対策

第1節 事業継続の後押し

1.民間金融機関を通じた資金繰り支援(信用保証制度)

新型コロナウイルス感染症の影響により業況が悪化している中小企業・小規模事業者への資金繰り支援として、危機関連保証やセーフティネット保証4号等を引き続き実施する。また、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた中小企業者に対して、金融機関が継続的に伴走型で支援を実施することにより、中小企業者の経営の安定や生産性等の向上を図る保証制度等を実施する。

2.日本政策金融公庫等による資金繰り支援【財政投融資】

新型コロナウイルス感染症の影響により業況が悪化している中小企業・小規模事業者への資金繰り支援として、日本政策金融公庫及び商工組合中央金庫等において、「新型コロナウイルス感染症特別貸付」及び「新型コロナ対策資本性劣後ローン」等を引き続き実施する。

また、特に業況が悪化している中小企業・小規模事業者を対象に、中小企業基盤整備機構を通じて、「新型コロナウイルス感染症特別貸付」等の貸付金利を当初3年間実質無利子化する措置を引き続き実施する。

3.中小企業再生支援協議会【R3年度当初予算:95.0億円の内数/R2年度3次補正予算:30.0億円】

各都道府県の商工会議所等に設置した中小企業再生支援協議会において、事業の収益性はあるが、債務超過等の財務上の問題を抱えている中小企業・小規模事業者に対し、窓口相談による課題解決に向けたアドバイスや、関係金融機関等との調整も含めた再生計画の策定支援を行う。

また、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた事業者の資金繰りを支援するため、窓口相談や既往債務にかかる最長1年間の元金返済猶予要請や、新規融資を含めた関係金融機関との調整も含めた資金繰り計画の策定支援(新型コロナ特例リスケジュール支援)を行う。

4.緊急事態宣言の影響緩和に係る一時支援金【R2年度予備費:2,490億円、R2年度補正予算流用額:2,890億円】

2021年1月に発出された緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業や不要不急の外出・移動の自粛により、売上げが50%以上減少した中小企業・個人事業者等に、「緊急事態宣言の影響緩和に係る一時支援金」を給付する。

第2節 事業再構築の後押し

1.中小企業等事業再構築促進事業【R2年度3次補正予算:11,485.3億円】

ウィズコロナ・ポストコロナの時代の経済社会の変化に対応するために新分野展開、業態転換、事業・業種転換、事業再編又はこれらの取組を通じた規模の拡大等、思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援する。

第3節 事業承継・引継ぎ・再生等の支援

1.事業承継・引継ぎ推進事業【R2年度3次補正予算:56.6億円】

事業承継・引継ぎ補助金によって、事業承継・引継ぎを契機とする新たな取組、事業引継ぎ時の専門家活用等を支援する(なお、補助率は2/3)。

また、実証事業により、後継者に求められる素養・能力と、それらの習得に必要な後継者教育の型を明らかにするとともに、事業引継ぎ支援センターの体制を整備する。

2.(再掲)中小企業再生支援協議会【R3年度当初予算:95.0億円の内数/R2年度3次補正予算:30.0億円】

3.中小企業再生ファンド

事業再生に取り組む中小企業への経営支援や資金供給等を実施するため、(独)中小企業基盤整備機構と地域金融機関、信用保証協会等が一体となって、中小企業の再生を地域内で支援する地域型ファンドや、広域的に支援する全国型ファンドの組成・活用の促進に取り組み、新型コロナウイルス感染症の影響により高まる中小企業の再生支援のニーズに万全を期す。

第4節 投資促進・販路開拓支援

1.中小企業生産性革命推進事業【R1年度補正予算:3,600億円の内数】

働き方改革、被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイス導入など相次ぐ制度変更等に対応するため、中小企業基盤整備機構が複数年にわたり中小企業の生産性向上を継続的に支援する。

具体的には、設備導入、IT導入、販路開拓等への支援を一体的かつ機動的に実施するとともに、先進事例を収集し、各種支援策とともに幅広く情報発信を行う。加えて、制度変更にかかる相談対応や国内外の事業拡大等にかかる専門家支援等のハンズオン支援を行う。

2.中小企業生産性革命推進事業(特別枠)【R2年度3次補正予算:2,300億円の内数】

新型コロナウイルス感染症の影響が長期化することを踏まえ、感染拡大を抑えながら経済の持ち直しを図るため、中小企業のウィズコロナ・ポストコロナに向けた経済構造の転換・好循環を実現させるべく「低感染リスク型ビジネス枠」を創設する。

3.サプライチェーン対策のための国内投資促進事業【R2年度3次補正予算:2,108億円】

新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、我が国サプライチェーンの脆弱性が顕在化したことから、生産拠点の集中度が高く、サプライチェーンの途絶によるリスクが大きい重要な製品・部素材、又は国民が健康な生活を営む上で重要な製品・部素材に関し、国内の生産拠点等の整備を進めることにより、製品・部素材の円滑な供給を確保するなど、サプライチェーンの強靱化を図ることを目的とし、設備の導入等を支援する。

4.海外サプライチェーン多元化支援事業【R2年度3次補正予算:116.7億円】

新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、我が国サプライチェーンの脆弱性が顕在化したことから、生産拠点の集中度が高く、サプライチェーンの途絶によるリスクが大きい重要な製品・部素材等の日本企業による海外生産拠点の多元化や高度化に向けた設備導入の支援を実施する。

第5節 経営環境の整備

1.Go To 商店街事業【令和2年度第3次補正予算:30.0億】

感染拡大防止対策を徹底しながら、商店街等が行うオンライン活用事業、新たな商材開発やプロモーション制作など、「地元」や「商店街」の良さを再認識するきっかけとなるような取組を支援する。

2.申告・納付期限の延長【税制】

緊急事態宣言の期間が確定申告期間と重なることを踏まえ、十分な申告期間を確保して確定申告会場の混雑回避の徹底を図るため、2020年分の申告所得税、贈与税及び個人事業者の消費税の申告期限・納付期限について2021年4月15日まで延長することとしている。

3.両立支援等助成金(新型コロナウイルス感染症対応特例)【R3年度当初予算:45.6億円の内数】

両立支援等助成金の育児休業等支援コースにおいては、新型コロナウイルス感染症に係る小学校等の臨時休業等により子どもの世話をする労働者のために特別休暇制度及び両立支援制度を導入し、特別休暇の利用者が出た事業主に対して支給する。

また、両立支援等助成金の介護離職防止支援コースにおいては、新型コロナウイルス感染症への対応として、法定の介護休業と別に家族の介護が必要な労働者のための有給休暇(労働基準法上の年次有給休暇を除く)を設け、仕事と介護の両立支援制度の内容を含めて周知し当該休暇を取得させた中小企業事業主に対して支給する。

4.新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置による休暇取得支援【R3年度当初予算:9.3億円】

新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置として医師等の指導により休業が必要とされた妊娠中の労働者が取得できる有給の休暇制度を設け、当該休暇を取得させた事業主に対する助成を行う。