第4章 地域経済の活性化に資する事業活動の推進
第1節 地域資源の活用
1.小規模事業者支援法による経営発達支援計画の認定
小規模事業者支援法第7条に基づき商工会・商工会議所が関係市町村と共同して、小規模事業者の技術の向上、新たな事業分野の開拓、その他の小規模事業者の経営の発達に資する計画を作成し、経済産業大臣が認定する。2019年度(第7回)において、429計画(459単会、435市町村)の認定を行った。
2.(再掲)小規模事業対策推進等事業【R2年度当初予算:59.2億円】
3.(再掲)JAPANブランド育成支援等事業【R2年度当初予算:10.0億円/R2年度1次補正予算:15.0億円】
4.伝統的工芸品の指定
伝統的工芸品産業の振興に関する法律に基づき、伝統的工芸品への指定の申出があった工芸品について調査、検討を行った後、産業構造審議会の意見を聴いて、以下の1品目について、伝統的工芸品の指定を行った。
- 愛知県「名古屋節句飾」(2021年1月15日)
5.伝統的工芸品産業支援補助金、伝統的工芸品産業振興補助金【R2年度当初予算:10.7億円】
伝統的工芸品産業の振興に関する法律に基づき、伝統的工芸品産業の振興のため以下の支援を行った。
〔1〕産地の製造協同組合等が実施する以下の事業に対する補助
- 後継者育成事業
- 原材料確保対策事業
- 意匠開発事業
- 連携活性化事業
- 産地プロデューサー事業 等
〔2〕伝産法第23条に基づく一般社団法人・一般財団法人が実施する以下の事業に対する補助
- 人材確保及び技術技法継承事業
- 産地指導事業
- 普及推進事業
- 需要開拓事業 等
6.伝統的工芸品の普及・推進事業
伝統的工芸品に対する国民の理解を増進するため、毎年11月を「伝統的工芸品月間」とし、伝統的工芸品月間国民会議全国大会の開催等の普及・啓発事業を実施。2020年度においては、京都府で全国大会を開催した。
第2節 商店街・中心市街地の活性化
1.地域商店街の活性化に向けた総合的支援
地域商店街活性化法に基づき、商店街活性化事業計画を国が認定した商店街等について、支援措置を講じた。
2.全国商店街支援センターによる人材育成等
中小企業関係4団体が共同で設立した「全国商店街支援センター」において、人材育成、ノウハウ提供等の支援を行った。
3.企業活力強化資金(流通・サービス業関連)【財政投融資】
中小商業者・サービス業者等の経営の近代化及び流通機構の合理化並びに空き店舗等の解消を図るため、日本政策金融公庫が必要な資金の貸付を行った。
4.中心市街地活性化協議会運営支援事業【中小機構交付金の内数】
中心市街地活性化協議会の設立・運営に当たって、中小機構に設置された中心市街地活性化協議会支援センターを中心に、各種相談対応、HPやメールマガジンでの情報提供、交流会の開催によるネットワーク構築支援等を行った。2020年度(1月末時点)は169件の相談対応を実施した。
5.中心市街地商業等活性化アドバイザー派遣事業【中小機構交付金の内数】
中心市街地活性化協議会等が抱える様々な課題に対応するため、中小機構に登録された商業活性化に関する各分野の専門家を派遣した。2020年度(1月末時点)は12地域に専門家を派遣した。
6.中心市街地商業活性化診断・サポート事業【中小機構交付金の内数】
中心市街地活性化協議会等が行う中心市街地における商業活性化の取組を支援するため、中小機構における専門的ノウハウを活用し、セミナー等の企画・立案支援・講師の派遣や、個別事業の実効性を高めるための助言・診断・課題整理・情報提供等を行った。2020年度(1月末時点)は6地域でセミナーを開催し、4地域へ助言等を実施した。
7.中心市街地活性化のための税制措置【税制】
中心市街地活性化法による認定を受けた「特定民間中心市街地経済活力向上事業計画」に基づいて行われる不動産の取得等に対し、その不動産の所有権の移転登記等に対する登録免許税の税率を1/2とする措置を講じた。
第3節 その他の地域活性化施策
1.観光産業等生産性向上資金【財政投融資】
観光産業等の生産性向上及び観光消費の底上げを通じた日本経済の活性化を図るため、中小企業に対して日本政策金融公庫が必要な資金の貸付を行った。
2.インバウンド需要拡大推進事業【R1年度補正予算:5.0億円】
個々の商材・サービスをまとめて提供する事業者と外国人専門家とのマッチングの支援、商品・サービスの磨き上げ・プロモーション等の支援を行った。令和2年度において、12件採択した。
また、中小商業・サービス業のグループ等がAIカメラを用いた入店・購買率分析等により、効果的な手法を導入して行う、インバウンド客の地域での消費額増加につながる取組の支援を行った。令和2年度において、7件採択した。
3.地域・企業共生型ビジネス導入・創業促進事業【R2年度当初予算:5.0億円】
社会構造の変化に伴い顕在化している様々な領域における地域の社会的課題解決のため、複数地域に共通する課題を抽出し、地域内外の中小企業等が連携しつつ、ビジネスの手法を適用して効果的にその解決を図る取組を24件支援した。また、若年層の起業への関心や起業家に必要とされるマインドの向上を図り、将来の創業者を育成するため、起業家教育プログラムを実施する高等学校等及び起業家を招いて出前授業を行う高等学校等を約90件支援した。
4.地域経済を牽引する企業に対する集中的な支援
地域未来投資促進法に基づき、地域の特性をいかして地域経済を牽引する事業(地域経済牽引事業)として、2020年12月末時点で2,596件が都道府県から承認されており、これらの事業に対して税制措置・金融措置・規制緩和・予算措置等による支援を行った。例えば、地域の成長発展の基盤強化に特に資する地域経済牽引事業に対する法人税等の税額控除・特別償却(地域未来投資促進税制)等を講じた。
また、地域経済の中心的な担い手となりうる「地域未来牽引企業」について、2020年10月に1,060者の追加選定を行い、これまでに選定された企業は全国で約4,700者となった。これらの企業に対して、予算措置等により販路開拓や設備投資等を集中的に支援した。
5.地域企業イノベーション促進事業【R2年度当初予算:11.5億円】
地域経済の担い手となる企業群の新事業への挑戦を促すため、全国77のプロジェクトを組成し、以下の取組等を実施した。
- 地域のイノベーションを支える支援機関(大学、公設試験研究機関、金融機関等)からなる支援ネットワークの構築
- 支援ネットワークが新事業に取り組む地域企業群に提供する、事業の立ち上げから市場獲得までの、事業の成長段階に応じた総合的な支援(事業戦略策定、事業体制整備、研究開発、販路開拓、ノウハウ提供など)
6.(再掲)ローカル10,000プロジェクト(地域経済循環創造事業交付金)【R2年度当初予算:9.0億円の内数】
7.地方拠点強化税制【税制】
地方における雇用創出のため、企業の本社機能(事務所、研究所、研修所)を東京23区から地方へ移転する場合や地方において拡充をする場合に、支援措置を講じた。具体的には、計画の認定を受けた企業のオフィス等に係る建物等の取得等について、取得価額の15%の特別償却(移転型事業の場合には、取得価額の25%)若しくは取得価額の4%の税額控除(移転型事業の場合には、取得価額の7%)の選択適用又はその地方拠点における雇用者数に応じた税額控除を講じる措置、及び企業の地方拠点強化に係る地方交付税による減収補填措置等を講じた。